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自動車整備士の仕事で年収1000万円越えることができるって本当?自動車整備士が年収1000万円越えるまでの道のりを徹底解説!

将来どんな仕事をしたいですか?

アニメーターやミュージシャン、YouTuberのように夢を追いかける仕事。医者や警察官のように人を守る仕事。美味しい野菜を作る農家さん。

各種様々な仕事がありますが、どんな仕事をするのにも生活を送るうえで収入はとても大事なものになります。

収入が増えれば生活リズムも変わり、仕事へのモチベーションも上がってきます。

さて、本題の自動車整備士の年収が1000万円を越えることは可能なのか?についてですが、年収が1000万円にもなる自動車整備士の仕事は夢がありますよね?

しかし、残念ながら自動車整備士の仕事だけで年収1000万円になることは無いです。100%無いわけではないのですが100%に限りなく近い確率で年収1000万円を越えることは無いです。

いきなり自動車整備士には夢がないような話をしてしまいましたが、『自動車整備士の仕事だけでは』の部分が非常に大事でそこをクリアできれば年収1000万円を越えることも夢ではなくなってきます。

自動車整備士の平均年収は低い!

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自動車整備士の仕事は年収1000万円越えることができる!

こんな言葉を聞いたら自動車整備士の年収は低い人だと700万円くらいなのかなと思ってしまうかもしれませんが、自動車整備士の仕事だけで年収700万円を越える人もほとんどいません。

自動車整備士の仕事は収入が増えるヤリガイより、故障の原因が直った、自動車の調子が良くなってお客様が喜んでくれた等の感情のヤリガイを求めるものになります。

自動車整備士の平均年収とは?

日本の労働者の平均年収は約440万円となっています。それに対して自動車整備士の平均年収は約390万円となっています。

かなり低いですよね?自動車整備士の年収?

さらに言ってしまうと自動車整備士の平均年収はただ低いだけではないのです。日本の労働者の平均年齢が約42歳に対して自動車整備士の平均年齢は45歳とこちらも大きな差があります。

平均年齢が高いのに平均年収が低い。つまり20代の若年層は平均年収が凄く低いことになります。実際に20代の自動車整備士の平均年収は300万円に届いていません。

自動車整備士の年収が低い理由とは!

自動車整備士の年収が低い理由。それは単純に自動車整備の仕事自体が利益の低い仕事だからです。

『クイック車検5000円〜』みたいな看板を見かけることがあると思いますが、通常クイック車検は3人(内1人は自動車検査員)で整備を行います。自動車整備士が3人働いて1時間で整備代が5000円にしかならないんです。

5000円なら1人あたりの時給で1700円近くになるじゃないかと思った人、違いますよ。待っているお客様の飲み物代、光熱費、運輸局まで書類を運ぶ燃料代、その他諸々等を5000円から差し引くと利益はほとんど残りません。

それに時給が1700円だったとしても8時間労働で1日1万3600円、1ヶ月30日として毎日働いても40万8000円にしかなりません。休みなく働いて日本の労働者の平均年収をやや超える程度の年収にしかならないんです。

自動車整備士求人の年収1000万円というのは嘘なのか?

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自動車整備士の平均年収が低いなら、年収1000万円超え可能な自動車整備士求人は嘘なのでは思いますよね?

この答えは言葉にすると難しいのですが、半分本当で半分嘘というのが1番近い言葉だと思います。

『自動車整備士の仕事だけ』では年収1000万円は無理

前述したように自動車整備士の仕事は非常に利益率が低いです。

利益率が低い自動車整備士の仕事で年収1000万円を超える方法。それは営業活動を行うことです。

年収の高い自動車整備士の求人には必ず金銭的インセンティブ(報奨金)の言葉が入っています。

金銭的インセンティブ(報奨金)とは何か?

自動車整備士にとって金銭的インセンティブ(報奨金)といったら自動車整備の仕事を沢山とってくることと思いがちですが、これは違います。

もちろん、会社の運営として自動車整備の仕事の確保は非常に大事ですが、自動車整備工場で1番の利益をあげられるのは自動車を販売することです。

自動車販売は非常に利益率が高いです。例えば、自動車販売の金銭的インセンティブ(報奨金)を1台5万円とします。月に10台自動車を販売したとして50万円のインセンティブ(報奨金)を得る事ができます。

前述した車検整備代では利益率ではなく売上金額計算で休みなく働いて月収40万円でした。この時点でインセンティブ(報奨金)で月収を超えてしまいます。

単純にインセンティブ(報奨金)50万円、休みをとって月収30万円。この2つを足しただけで月収80万円、年収にすると960万円になります。

年収1000万円の道がみえてきましたね。

自動車整備工場が販売している物、求めている物を理解しよう!

高額の自動車整備士求人をだしている自動車整備工場は、必ず自動車販売を行っています。

中には自動車整備士にも厳しい販売ノルマを設定している自動車整備工場もあります。

いくら年収が高くても、コツコツと自動車整備をしていたいと思う人には過酷な職場に感じてしまい、すぐに転職してしまうことになります。

年収の高い自動車整備士求人をだしている企業が求める人材は営業もできる自動車整備士です。

また、インセンティブ(報奨金)を設定している商品は自動車販売や新規保険の獲得、原価は安いが定価の高い装飾品等がほとんどで、営業能力が低いと販売するのが難しい商品ばかりとなっています。

年収にとらわれずに求人内容をよく確認しよう!

就職活動や転職活動をしている人にとって年収というのは非常に重要な要素になっています。

しかし、年収だけにとらわれて求人内容をよく確認しないと後悔することになってしまいます。

特に自動車整備士は人員不足と高齢化問題が年々深刻化しているため、高額な年収をうたい文句として人員確保をしようとしている求人が多くなっています。

求人内容にインセンティブ(報奨金)の言葉がある場合は、自分に営業能力があるのかをよく考えてから求人応募するようにしましょう。

そもそも自動車整備士に営業能力なんて必要なの?

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自動車整備士も一般的な職業同様にお客様からお金を頂いて利益をあげる職業です。多かれ少なかれ営業能力は必要になります。

自動車整備士は黙々と1人で作業するイメージのある職業ですが、意外とお客様と接する機会が多いです。

1人で黙々と仕事がしたい、なるべく人と接したくないと思うひとには不向きの仕事です。

自動車整備士としてステップアップすることでインセンティブ(報奨金)も受け取りやすくなる!

自動車整備士は一般的に自動車整備主任者、自動車検査員、サービスフロント、マネージャー・工場長と順番にステップアップしていきます。

自動車整備士はステップアップするにつれてお客様との接点も増えていきます。特にサービスフロント、マネージャー・工場長になると1日の仕事の半分以上が接客業務となります。

サービスフロント、マネージャー・工場長はお客様に不具合箇所の説明や見積書の発行以外に、新しい自動車への乗り換えのオススメや、保険の見直しの提案をすることも仕事のひとつとなります。

例えば15万㎞走行(走行距離の多い車)した自動車の修理費用が20万円かかるお客様がいたとします。

自動車は走行距離が増えるにつれて不具合が起こる可能性が高くなります。今回の修理は20万円で治りますが15万㎞走行している車なので今後また高額な修理費用がかかるかもしれません。

そこでお客様にその旨を伝えて新しい自動車への乗り換えを提案していきます。新しい自動車に乗り換えをするかはお客様の判断になりますが、この時点でお客様が乗り換えをしたらインセンティブ(報奨金)を獲得することができます。

サービスフロント、マネージャー・工場長への道のり

サービスフロント・マネージャー・工場長になればインセンティブ(報奨金)を受け取るチャンスは多くなります。

しかし、誰でもなれるポジションではありません。お客への説明、外注先とのやり取り、保険会社とのやり取り等高い知識力が必要となります。

インセンティブ(報奨金)を受け取り年収1000万円にするのには、自動車整備士として確実に力をつけてステップアップをしていかなければなりません。

年収をあげる為には自動車整備士として最高レベルの逸材になることを目標としてください。

フリーランスの自動車整備士なら年収アップするって書いてあるサイトがあるけど?年収1000万円も可能なの?

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フリーランスの自動車整備士の定義が難しいのでなんともいえませんが、自動車整備士として仕事をしている又は仕事をしていた人からすると「フリーランスの整備士?なにそれ?」と言うと思います。

個人事業主として用品の取り付けや自動車の外装のコーティング、室内クリーニング等の整備は行えますが、それ以上の整備は法律上できません。

自動車整備の要である走る・曲がる・止まるに関する分解を要する作業を行い利益をあげる為には認証か指定の自動車整備工場でなければなりません。

自動車整備士の資格を取得していても分解整備をして利益を得ることは法律上できません。

また、自動車整備工場では組織図で工員、自動車整備士、自動車検査員等を運輸局に届け出をしています。フリーランスで自動車整備工場に手伝いにきたとしても洗車くらいしかできません。

ハッキリとは言いにくいのですが、フリーランスの自動車整備士と言ってる人やサイトは自動車整備についての法律を知らないか、知っていて違法に利益をあげているかだと思います。

そもそもですが、前述したように自動車整備士の仕事だけでは年収1000万円にはならないのでフリーランスでも年収1000万円は無理だと思います。

自動車整備士の年収1000万円への道のりまとめ!

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これまでに自動車整備士でもインセンティブ(報奨金)を受け取れれば年収1000万円を超えることができると書いてきましたが、年収1000万円を超えるのはかなり困難な道のりです。

簡単に自動車を売ればインセンティブ(報奨金)がもらえると書いてますが、考えてみてください、月に10台売れたらトップセールスマンですよ。月に10台なんて営業を専門にしているセールスマンでも難しい事なんです。

今回はほんの一握りの自動車整備士ですが、頑張れば年収1000万円になることができるよってお話でした。