KANTO Industrial College

ディーラー整備士になるには?民間整備工場との違いやメリットを解説

自動車整備士の仕事場は、整備工場の中だけではありません。自動車販売店であるカーディーラーでも、多くの自動車整備士が活躍しています。

この記事ではカーディーラーで自動車整備の仕事をする魅力と、どうすればディーラー整備士になれるのかを解説いたします。

ディーラーで働く整備士の仕事

カーディーラーはクルマを売る店舗です。

整備工場と比べたとき、カーディーラーでの自動車整備士の仕事は、イメージをややつかみにくいかもしれません。ディーラー整備士の仕事とは、どのようなものなのでしょうか。

ディーラー整備士とは?

ディーラー整備士とは通称で、カーディーラーで働く自動車整備士全般のことを指します。

自動車整備士として働いている点では、民間整備工場でもカーディーラーでも同様です。求められる資格が異なるわけではありません。

ディーラー整備士の仕事内容

カーディーラーでは、ユーザーへのアフターサービスとして、販売後の定期無料点検や車検を受け付けています。

ディーラー整備士の最も重要な業務は、この際に行う点検にあります。クルマが新たに売れるたび、自動的に点検のスケジュールも大枠で決まります。この予定に従って、日々の点検作業を進めていくことになります。

故障車の整備といった突発的な業務が入る可能性もありますが、最近のクルマは大きな故障をすることが少なくなっているので、頻度は高くはありません。

点検だけしていればいいわけではなく、直接顧客に対し点検内容の説明をする機会もあります。サービス業である以上、クルマだけいじっていればいいとは限りません。

ディーラーによっては、勤務シフトや人員配置の関係で、整備点検とまったく関係のない接客業務を担当することもあります。

電気自動車や、最新の電気系統を持つクルマなど、技術が次々進化しているため、ディーラー整備士に求められる業務は高度化しています。

民間整備工場の整備士との違い

民間整備工場で働く整備士と、ディーラー整備士との違いも見ておきましょう。

先に、カーディーラーで扱う自動車整備の多くが点検であることを確認しました。

それから民間整備工場にはあって、カーディーラーではほぼないのが、鈑金関係の仕事です。塗装もほとんどありません。

それから扱うクルマについて大きな差があります。カーディーラーでは、系列メーカーのクルマのみに触れることになります。

最後に、休日と残業です。

カーディーラーの場合、曜日に関係のないサービス業であることは頭に入れておきましょう。カレンダー通りに休むということはほとんどできません。

また、顧客に合わせる業務であり、残業発生の可能性は常にあります。

ディーラー整備士になるメリット

自動車整備士の勤務先も複数ある中で、ディーラー整備士になるメリットは、どこにあるでしょうか。

メーカー知識・技術が深く身に付く

自動車整備士は職人の世界であり、最終的には身に着けた腕次第という業界です。

自動車整備士のキャリアを考えたとき、クルマに対する深い知識と技術を持ち続けることが極めて重要です。この点、ガソリン車が今後減っていってもなんら変わりません。

ところで職人の世界だけあって、職場環境によっては「見て盗め」といった旧来型の指導が主流な場合もあります。

この点カーディーラーでは、常日頃から研修が充実しています。

先輩からの伝承だけではない、最先端のクルマの研修が受けられます。

特に昨今は、電気自動車をはじめクルマがどんどん進化しています。従来の経験に頼れない部分もあるので、最新の知識と技術を身に着ける機会は実に大事です。

給与面の違い

ひとくちに自動車整備士といっても、勤務場所によって待遇は異なります。

カーディーラーを運営する自動車販売会社は大企業が多く、給与面その他の待遇についていえば、不満は少ないでしょう。

とはいえ、カーディーラーに就職したものの、給与が安く残業が多いため早期退職する人もいるのは事実です。

ただし大企業は手取り給与以外に、福利厚生がしっかりしています。待遇をきちんと判断するためには、この面もきちんと把握しておいたほうが後悔しないでしょう。

ディーラー整備士の年収について

自動車整備士全体の平均年収は、年々増加していると言われています。
その中でも、ディーラーで働いている自動車整備士はディーラー以外で働く整備士よりも高い増加割合となっています。

ディーラーで働く整備士は、ディーラーではない自動車整備士と比べると、給料が良いと言われています。自動車整備士の平均年収は、約400万円となっていますが、ディーラーで働く自動車整備士の平均年収は、約466万円と比較をすると高い年収となっています。ディーラーではない自動車整備士の平均年収より約70万円近く高いことがわかります。

考えられる理由としては、ディーラーで働く自動車整備士は業務量の多いため労働時間が長くなるため給料に反映されたと考えられます。高い給料を求める方は、長時間労働となる可能性があってもディーラーでの整備士を選んでいると考えられます。
またディーラー独自の資格があり、取得することで年収アップにつながります。現場で整備士として働くよりも、ディーラーにてサービスフロントや工場長などの役職を目指すことで、年収アップや昇進を目指すことも可能となります。

ディーラー整備士になるには

自動車整備士になるなら、研修と福利厚生の充実したカーディーラーで勤めたい人も多いのではないでしょうか。

ディーラー整備士になるための方法を見てみましょう。

自動車整備士の資格を取得する

整備工場での自動車整備の仕事は、無資格でも始められます。

整備工場で実務経験を積みながら、自動車整備士3級取得から2級へと、徐々にステップアップできます。

ですが、大手企業であるカーディーラーへ、無資格の整備士志望者として勤務するルートは開かれていません。

ディーラー整備士になりたければ、自動車整備士2級以上の資格を取得していることは必須です。資格があれば、転職してディーラー整備士になることも可能です。

自動車整備士の専門学校に通うメリット

自動車整備士2級以上の資格は、自動車整備士専門学校で取得するのがおすすめです。

専門学校では、2年の過程で実務経験のない人が自動車整備士2級の資格を得られるよう、徹底的にサポートしてくれます。

新卒求人もたくさんあり、カーディーラー求人も多く、学校からディーラー整備士を目指しやすくなっています。

ディーラー整備士になる方法と民間整備工場との違いまとめ

ディーラー整備士ならではの仕事の中身を見てきました。

ディーラーでは、メーカーが限られるとはいえ最新のクルマについての知識・技術を絶えずアップデートできます。これは民間整備工場にない部分です。

ディーラー整備士になるための早道は、自動車整備士専門学校に通って自動車整備士2級資格を得ることです。

新卒求人が多数ありますので、整備士としてのキャリアをディーラーでスタートできる可能性があります。

整備士のキャリアスタートが整備工場だったとしても、中途採用でディーラー整備士になれる可能性もあります。

ディーラー整備士を目指して頑張りましょう。

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