自動車整備士の最高資格は1級です。
整備士のトップを目指すつもりがあるのなら、現在どういう段階にあるとしても、最高峰の資格について知っておくのは悪いことではありません。
どのぐらい難しいのか、どうすれば合格するのか、気になるところでしょう。1級自動車整備士試験について、解説いたします。
1級自動車整備士資格を得ると、整備士の中でもエキスパートとして扱われます。
2級までの整備士資格と比べると、1級でできる仕事のイメージは、さらにつきにくいのではないでしょうか。
これは、現役の整備士にとっても同様と思われます。資格の概要と合わせ、仕事内容についても解説いたします。
1級自動車整備士は、長年にわたり、試験が実施されないままの資格でした。
1951年に制定されたものの、初めて試験が行われたのは2002年です。
現在でもなお歴史が浅く、さらにまたすべての試験が実施されているわけではありません。
1級自動車整備士は、制定されているのは次の3種類です。
実施されているのは小型自動車整備士だけなので、1級とは実質的にこの資格のことを差します。
2級のように、「ガソリン」「ジーゼル」といった区別はないので、1級小型自動車整備士なら、すべてのクルマについて責任を負った整備ができるわけです。
1級自動車整備士は、次のような背景から実施されるようになった資格と言えます。
クルマと、クルマを取り巻く環境は複雑化するばかりです。整備士も、クルマに向かいあっていればいい時代ではなくなりました。
1級自動車整備士は、社会におけるクルマの役割、位置づけから考えるという、広い視野を求められているわけです。
併せてコンサルティング、アドバイザー的な仕事も期待されています。
実際、整備工場やカスタムショップなどでも、丁寧な接客で顧客を納得されることがすでに求められるようになっ
ています。
先に1級自動車整備士資格者に期待される業務を見ましたが、整備工場やカーディーラー、ガソリンスタンド等における整備業務に照らし合わせたとき、あまりピンと来ないかもしれません。
整備士の接客の重要性は何級であろうがそもそも当然ですし、そして整備工場に水素自動車がいきなり持ち込まれたりすることもありません。
現場で働く人からすると、1級資格を持っても、具体的にできることが増えたり、待遇がよくなったりするわけではないと考えてしまいます。実際にそう考える人も多いのです。
整備工場で働く人にとっては、資格としては1級よりも、2級から「自動車検査員」に進むほうが、具体性のある選択肢となっています。
1級は難易度が高く、投資した割に見返りが少ない資格だという感想を持つ人も、現状では多数いるでしょう。
整備の現場で働く人にとって1級資格が魅力的とはいえない点を先に見ました。
ですが、整備のプロである1級自動車整備士の需要は、あるところにはちゃんとあります。
整備工場やディーラーでも、大きな仕事場では1級資格者が求められていますし、他にもたとえばこういった職種が存在します。
1級を取得することで、転職の道も開けます。
また、今から学校に通うことを考えている高校生の場合、1級を取得してから就職することで、憧れのメーカーエンジニアになれるかもしれません。
1級自動車整備士は、取得するルートが複数あり、大きく異なります。
ひとつずつ確認しましょう。
1級自動車整備士取得のために最も確実なのが、専門学校の一種養成コースに4年間通うことです。
4年コースは大学と同じ、長い過程です。
その分、1級合格のための手厚いサポートがあります。
先に見た通り、整備業界で仕事をするのに2級で十分と考えるなら、社会に出るのが遅れる4年コースは不利とも思えます。
ですが最難関資格を手に社会に出て、研究開発やコンサルティングにかかわるという未来を考えるなら、悪くない選択肢です。
一種養成コースでは、2年経過時に2級自動車整備士も取得できます。
1級自動車整備士試験の受験資格を得るために、学校に行かなければならないわけではありません。
受験資格を確認します。
【1級小型自動車整備士の受験資格】
・2級自動車整備士(ガソリン、ジーゼル、二輪のいずれか)に合格後、最大3年の自動車整備実務経験(卒業した学校の学科によって期間短縮)
2級自動車整備士のうち、「シャシ整備士」には受験資格がありません。
シャシ整備士から1級を目指す場合、必ずガソリン、ジーゼル、二輪のいずれかの2級を取得してからとなります。
それから、2級・3級と1級の受験資格となる「実務経験年数」について大きな違いがあります。
・2級・3級・・・卒業した学校の学科により短縮がある
・1級・・・等しく3年
1級自動車整備士は国家資格です。
2級・3級と同様に「学科」と「実技」とがあります(さらに1級のみ「口述」もあり)。
どちらも難関ですが、実技試験を免除される人もいます。
この点を確認していきます。
自動車大学校等の専門学校で、一種整備士養成コース(4年)を卒業している人は、2年以内に1級整備士を受験する場合、実技免除です。
2級(シャシ以外)からステップアップして1級を受ける人の場合、自動車整備振興会が開催する自動車整備技術講習を受講することで、実技試験免除となります。
1級は学科だけでなく実技試験も難関のため、独学での合格は難しいものがあります。講習受講がおすすめです。
難関の1級小型自動車整備士試験の合格率を確認します。
数字を見る際に、2級試験と大きく異なる部分があります。
・1級・・・試験が年1回のため、ルート別の合格率はわからない
・2級・・・試験が年2回のため、専門学校卒業者が受ける春と、一般のみの秋の合格率が大きく違う
自動車大学校等、専門学校の一種養成コース(4年間)を卒業する人は、大多数が卒業後の1級試験に合格します。
それを踏まえて、自動車整備士振興会から公表されている合格率を見ていきます。
まず1級自動車整備士試験のうち、全員が受験する学科試験の合格率です。
試験は毎年3月におこなわれます。
4月に始まり3月に終わる年度の3月なので、令和2年の試験は実際には令和3年におこなわれています。
・令和2年・・・61.1%
・令和元年・・・52.7%
・平成30年・・・49.3%
・平成29年・・・23.1%
・平成28年・・・22.4%
・平成27年・・・37.7%
令和2年は6割を超えましたが、大変な難関です。
この中に、9割以上が合格する専門学校の生徒も混ざっていますので、2級から1級に挑む人の合格率はさらに低くなっているわけです。
口述試験も全員受けます。
学科試験の合格者のみ、毎年5月に受験します。
年度は学科試験に合わせたものなので、実際の試験実施年度は1年ずれることになります。
こちらは、おおむね合格します。
万が一不合格だったとしても、2年間は学科免除で口述に挑めます。
最後に実技試験です。
2級を保持していて、自動車整備技術講習に通わなかった独学の人はこちらを受けて合格しなければ1級を取得できません。
試験は例年8月におこなわれます。口述試験と同様、実施年度は1年ずれます。
年度によって、著しく難しいことがあります。
実技試験不合格の場合、2年間は学科、口述免除となります。
大変難易度の高い1級自動車整備士試験の合格率を見てきました。
それでも、4年掛けて自動車大学校等の専門学校に行くなら、かなり合格率は高くなります。
埼玉県鴻巣市の関東工業自動車大学校(通称、KANTO)の一種養成コースをご案内します。
4年間通うのですから、成果がなくてはいけません。
KANTOの一種養成コースでは、次の数字が実績です。
・1級自動車整備士合格率・・・100%
・就職率・・・100%
直近の数字だけがたまたまいいわけではなく、一種養成コースの累計合格率が91.9%と高いのです。
これなら安心して通えます。
また整備業界の最高峰資格を持って、メーカー等にも就職できます。
1級自動車整備士の合格率を見てもわかるとおり、実技は非常に重要なものです。KANTOでは、カリキュラムの8割が実技です。4年通えば、高度な技術が身につくことは間違いありません。
1級自動車整備士になるならぜひKANTOへ。
関東工業自動車大学校では自動車整備に関するイベントを随時開催中。学校を卒業したOBからリアルなお話を聞ける機会も多数ご用意していますので、ご興味ある方は一度ウェブサイトを覗いてみてください。
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