日本は世界的な自動車メーカーが多数あり、世界屈指の自動車大国です。
実際に各家庭での乗用車の保有率も約1.3台となっており、自動車は日本人にとって欠かせない物となっています。
自動車の部品製造から組み立て、販売、メンテナンス、解体、リサイクルに至るまでの自動車産業に関わる人の数は日本の就業者の10%にも及びます。
その中で自動車整備士は自動車のお医者さんとして、非常に重要で責任のある仕事となります。
(出典元 一般財団法人大分県自動車整備振興会)
車やオートバイが好きだから自動車整備士になりたいと言っても、すぐに自動車整備士になれるわけではありません。
自動車のお医者さんである自動車整備士は、お医者さんの医師免許同様に国家資格を取得しなければいけません。
自動車整備士は人の命を守る責任のある重要な仕事なので、国家資格がなければ自動車の重要な部分の整備をすることができません。
国家資格として大きく分けて、1級自動車整備士、2級自動車整備士、3級自動車整備士、特殊自動車整備士があります。
3級自動車整備士の仕事内容とは?資格取得方法や1級・2級との違いを徹底解説でも紹介していますが、1級・2級自動車整備士資格と比べて自動車整備を行う際の作業内容に制限があります。自動車の基本的な構造・仕組み、計測機器・工具の正しい使い方等を学ぶ事ができます。3級自動車整備士資格は自動車整備士として入門編となる資格ですので、3級自動車整備士資格を取得した後は更なる高みを目指しましょう。
3級自動車整備士は自動車の走る・曲がる・止まるの保安基準に関わる部位の分解整備を行うことができません。自動車整備工場内での3級自動車整備士の主な仕事は、各種オイル交換やタイヤ交換、基本的な点検整備となります。
2級自動車整備士とは?資格の取り方や仕事内容を紹介でもご紹介していますが、2級自動車整備士は自動車整備の現場で点検業務や修理、ほとんどの分解業務を行うことができます。また板金塗装などの業務も行うことができるので、2級自動車整備士の資格を持っていれば、問題なく働くことができます。
一般的な自動車整備士はこの2級自動車整備士の資格を保有しています。自動車整備資格の中で最も保有者が多い資格です。
1級自動車整備士とは?資格の取り方や仕事内容を紹介でも紹介していますが、1級自動車整備士の資格は取得するのが最も難しいです。実際の業務でいうと2級自動車整備士とそこまで大きく変わらないのですが、様々な車を扱えるため、これからの時代、電気自動車なども増えてくるので1級自動車整備士の需要が高まるとも考えられています。
特殊整備士とは、自動車整備士のなかでも、より専門的なメンテナンスを行うことができる資格のことです。特殊整備士の中には3つの種類の資格があります。自動車電気装置整備士・自動車車体整備士・自動車タイヤ整備士です。ただ、特殊整備士の資格は、整備の仕事をしていく上で、絶対に必要な資格というわけではありません。
自動車整備士はカーディーラーや民間自動車工場等での法定基準に沿った自動車の点検や車検、消耗部品の交換、不具合部品の交換等が主な仕事となります。
点検や消耗部品の交換等の短時間で終わる作業では、お客様がその場で待っていることもあるので、正確かつスピーディーな作業が必要になります。
自動車整備士は工場内での作業が中心となりますが、点検・車検時のお客様へのご用命のお伺い、見積書の作成・提案、劣化部品・交換部品の説明や電話でのお客様からの問い合わせに対応する等の接客業務もこなさなければなりません。
また、異音や不具合の状況等をお客様と一緒に確認をしたり、不具合発生頻度が低く再現性の難しい不具合に対しては、問診を行い不具合の発生条件を特定させることも必要になってきます。
自動車整備士はお客様に安全かつ安心のカーライフ提供をして、お客様より信頼を得る職業です。
その為に知識や技術を日々磨かなければなりません。
(出典元 一般財団法人長崎県自動車整備振興会)
自動車整備士の資格は1~3級と特殊自動車整備士がありますが、各級でも細かい分野に分かれています。
(出典元 一般財団法人栃木県自動車整備振興会)
3級自動車整備士は2輪自動車整備士・ジーゼル・エンジン自動車整備士・ガソリン・エンジン自動車整備士・シャシ自動車整備士に分かれていて、それぞれ出来る仕事が異なってきます。
2輪自動車やエンジンの燃料の種類によって整備出来る自動車は異なりますが、保安基準に関わる重要な部位の分解を要する整備を行う事が出来ないので基本的な点検、各種オイル交換、タイヤ交換等が主な仕事となります。
3級自動車整備士同様に2級自動車整備士も、2輪自動車整備士・ジーゼル・エンジン自動車整備士・ガソリン・エンジン自動車整備士・シャシ自動車整備士に分かれています。
2輪自動車整備士になると保安基準に関わる重要な部位の分解を要する整備が出来るようになる為に、自動車整備工場の主軸として仕事を行います。
1級自動車整備士の検定試験は2002年に初めて行われました。
1級自動車整備士は2輪自動車整備士・大型自動車整備士・小型自動車整備士に分かれていますが、現在までに1級小型自動車整備士の検定試験しか行われていません。
1級自動車整備士は、高度な故障診断や次世代カーであるハイブリッド車や電気自動車の整備を出来る知識を持つ整備士となりますが、現在の自動車整備工場では2級自動車整備士がいれば運営をしていく事ができるので2級自動車整備士と同等の仕事を行います。
2020年4月1日より自動車整備工場は電子制御装置の整備を行うのに国の認証が必要となる特定整備制度が始まったが、認証を申請するのに必要な特定整備主任者に1級自動車整備士は無条件で選出できるので、今後、1級自動車整備士の需要が増える方向に向かいます。
また、2級自動車整備士が特定整備主任者になる為には講習を受けて試験に合格する必要があります。
自動車整備士の資格をもって自動車メーカーのカーディーラーに就職した場合は、自動車メーカーの定める自動車整備士検定を受けていくことになります。
これは自動車メーカーによって違いがあるのですが、国家資格と自動車メーカーの資格では2~3級の差があります。
2級自動車整備士として自動車メーカーのカーディーラーに入社すると自動車メーカーの4級自動車整備士もしくは5級自動車整備士扱いとなり、自動車メーカーの1級自動車整備士になるには早くても6~7年かかり、10年以上勤務していても取得出来ない人もいます。
自動車メーカーの1級検定試験は難易度が高く合格率が低かったのですが、近年では問題を簡単にして合格率を上げて、整備士に自信とやる気を持ってもらおうとする自動車メーカーが増えてきています。
(出典元 週刊ダイアモンド)
近年、車に興味の無い若者が増えてきていて、それに伴い自動車整備士の数も減少していっています。
また、自動車整備士の減少に伴い1人当たりの仕事量の負担が増えたのに
賃金が変わらなかったり、カーディーラーでは土日祝日が稼ぎ時になるので休みが他の人と合わないことや民間の自動車工場では仕事量によって休みが不定期になる等の理由で離職する人も増えています。
しかし、日本人にとって自動車はなくてはならない物なので、今後は自動車の修理費を上げて自動車整備士の賃金を上げて自動車整備士の数を増やす方向に移るかもしれません。
担い手不足から女性の自動車整備士にも注目が集まっています!
指定の自動車整備工場では自動車整備士が受付係・自動車検査員・整備主任者・工員に分かれ、それぞれ仕事内容が異なります。
受付係はお客様との接客係で見積書の提示や納品請求書の作成等が主な仕事となります。
自動車検査員は国が行う自動車検査を代行して行う事ができるので、車検の完成検査及び検査書類の作成が主な仕事となります。
公務員と同等の規則があり自動車整備工場のほぼ全ての責任を負うことから『みなし公務員』と呼ばれています。検査をした自動車や検査書類に不備があった場合に大変厳しい罰則を受けます。
自動車検査員になるには整備主任者としての実務経験を1年積んでから自動車検査員試験に合格をして自動車整備工場の任命される必要があります。
また、自動車検査員になった後は定期的に行われる自動車検査員講習を受講しなければいません。
自動車検査員試験の合格率は50~70%と言われていますが、自動車整備工場によっては自動車検査員の試験には合格しているものの、手当等の都合上、自動車検査員に任命されていない人も多数います。
整備主任者は2級自動車整備士以上の者が自動車整備工場より任命された者で車検の受入検査、中間検査が主な仕事となります。
2級自動車整備士以上の資格を持って自動車整備工場に就職をしても直ぐに整備主任者に任命をされることは無く、経験を積んで責任を終える立場になった者が任命をされます。
自動車検査員同様に定期的に行われる自動車整備主任者講習を受講する必要があります。
工員は整備係で自動車の車検・点検・部品交換等が主な仕事となります。自動車検査員と整備主任者が工員を兼ねている自動車整備工場が多いです。
点検整備は車検などの定期点検にあたります。自動車の使用者は、継続検査(車検)や日常点検、定期点検(12ヶ月点検など)を状況に応じて行い、適切に保守管理しなければならないという義務があります。自動車整備士は、自動車の使用者が安全に使用できるように、点検を行います。
自動車は使用したり時間が経過すると各部品が消耗していき、その構造や装置の性能が低下します。点検整備では、事前にトラブルを防ぐために自動車の状態を確認し、状況に応じて適切な対応を行います。
点検項目は、ブレーキ・エンジンの排気ガス・各種オイルやフィルタなどの汚れ・劣化など多数あります。
運転中の走行トラブルや、事故で車を破損してしまったなど、急を要する事故や故障による整備・修理を行うことをいいます。主にエンジンや電気系統などを点検して修理箇所を特定します。部品の交換や分解などを行い、車が安全に走れるように修理します。
分解整備は国で定めた重要保安部品を分解する作業です。不良箇所が見つかった場合や、点検整備などの際に、様々なパーツを自動車から取り外し、分解して修理や点検、改造を行うものです。分解整備はきわめて高度な技術が必要となることから、国から認証を受けた工場でのみでしか行うことはできません。
自動車整備士になるにはいくつかの方法があります。
(出典元 進学研究社)
高校を卒業して自動車整備士の専門学校や大学・短期大学に進む場合は、3級コース・2級コース・1級コースと選べます。
また、中学校を卒業してから進む高等専門学校もあります。
近年、自動車工場からの求人が2級自動車整備士以上がほとんどの為、3級コースを設けている学校は少なくなってきています。
3級コースは1年で3級自動車整備士の資格を目指すコースになります。
2級コースは2年で2級自動車整備士の資格を目指すコースになります。
また、3年で2級自動車整備士+板金塗装を学ぶコースのある学校もあります。
2級コース通うと2級自動車整備士の実技試験が免除されるので学科試験に合格すれば2級自動車整備士になれます。
1級コースは4年で1級自動車整備士を目指すコースになります。
2級コース同様に実技試験が免除されるので学科試験に合格すれば1級自動車整備士になれます。
中学校や高校を卒業して国からの指定もしくは認証を受けた自動車整備工場に就職をした場合は自分で検定試験を受けていくことになります。
1年以上の実務経験を積んでから3級自動車整備士の試験を受けて合格をすれば3級自動車整備士になれます。
その後、実務経験を積んで2級自動車整備士、1級自動車整備士の試験を受けることが可能ですが、実技試験・学科試験共に合格出来なば資格はもらえません。
また、近年では無資格の自動車整備士を募集している自動車整備工場は、ほとんど無いので現実的には難しくなっています。
自動車整備士養成施設を卒業後、自動車整備工場に入社して自動車整備士として仕事をしていくのが一般的ですが、実は入社した時点では自動車整備士になっていません。
自動車養成施設を卒業する前に受ける検定試験の合格発表が4月中旬~5月初旬に行われる為に、新卒として自動車整備工場に入社する際は自動車整備士資格取得予定者として採用されているので検定試験に不合格になってしまったら営業職にまわされたり、入社取り消しになってしまいます。
自動車養成施設の修了証明書で受けられる実技試験免除は2年間の猶予があるので検定試験に不合格になった後も学科試験に合格すれば自動車整備士になることは可能ですが,次回の検定試験まで待ってくれる自動車整備工場はほとんどありません。
学科試験は必ず合格するようにしましょう。
自動車整備工場に勤めている人のほとんどは自動車整備士の資格を有しており、勤務年数や技術能力等により年収は変わっていきます。
(出典元 キャリアガーデン)
男性の会社員の平均年収が約530万円なので自動車整備士の年収は平均よりも若干低くなります。
自動車整備工場によっては資格手当が出るところがあるので取得可能な資格は積極的に取っていくようにしましょう。
自動車整備士は決して楽な仕事ではありません。
車やオートバイが好きだからの延長線上で出来る仕事でもありません。
人の命を守る仕事です。
だからこそ、お客様に感謝の言葉を掛けてもらえる数少ない仕事なんです。
お客様に感謝の言葉を掛けてもらった時に『あー、この仕事していて良かったな』と思える仕事なんです。
それと、自動車の知識を増やすのに終わりはありません。次から次へと出てくる新機構を見る度に知識を増やせるし,時代の進化も肌で感じ取ることが出来ます。
これも、魅力の一つだと思います。
自動車についての専門知識・技術を身につけることができる プロの自動車整備として専門知識や修理などの技術を身につけることが可能です。
自動車修理工場や現場での実務経験やこだわりあるお客さんの車を整備するような場面もあり、とても奥が深い仕事となります。
昔から自動車に興味がある方や、細かい作業が得意な方には修理などの業務はおすすめの仕事となります。
自動車を使用する人たちを事故から守ることができる 自動車は生活に欠かせない存在になっています。
地方などでは車は必要不可欠で、買い物やちょっとした外出をするのも自動車を必要としています。
私達の生活には欠かせない自動車ですが、自動車事故は一定数起こっています。
自動車整備士では、そんな自動車事故に関しては、整備不良での交通事故を未然に防ぐことに繋がります。
その結果、自動車を運転する人や事故に巻き込まれる人の助けに繋がる自動車整備士の仕事にはやりがいを感じている人たちもいると考えられます。
自動車整備士の業界では人手不足解消に向けて、積極的な採用を行っている企業が増えてきています。一部の整備士工場や国内メーカー外国人の整備士を積極的に採用する動きも見られます。
人手不足の影響で需要が増し、売り手市場となりつつあるため整備士を目指す人や転職を考えている方には、待遇の面や給与や良い条件の企業を選ぶこともできると考えています。
次世代自動車の普及も高くなって来ているため、自動運転システムなどの知見やIT知識も必要になるでしょう。
・電動化とハイブリッド化
自動車産業では電気自動車(EV)やハイブリッド車の普及が進んでいます。これにより、エンジンの代わりにモーターやバッテリーを扱う必要があります。整備士は従来のエンジン車とは異なるシステムなどに対応するための知識とスキルが必要となります。
自動運転技術
・自動車メーカーは自動運転技術の開発に力を入れており、運転支援システムやセンサー技術が進化しています。整備士はこれらのシステムの診断や修理に対応するために、最新のテクニカルスキルとトレーニングが必要です。
・デジタル化と車両通信
自動車はますますデジタル化され、整備士は複雑な電子制御システムやネットワークに対応するために、デジタル技術や情報通信技術(ICT)に関する知識を必要とします。
・サステナビリティとエコ技術
環境への配慮が求められる中、自動車メーカーはエコ技術の開発に注力しています。整備士は、排出ガスや燃費を改善するためのエンジン技術やエコシステムのメンテナンスに対応するために、最新のエコ技術に関する知識を必要とします。
関東工業自動車大学校は埼玉県にある自動車整備士養成学校です。
2年制の2級自動車整備科、4年制の1級自動車整備科1年制の車体整備科、外国人留学生の特別クラス国際サービスエンジニア科に分かれています。
清楚で広々とした最新鋭の平屋実習場『ORANGE LABO』での毎日の実習はのびのびと作業が出来ます。
また、マイカーを乗り入れての整備も可能となっています。
資格取得率100%は勿論のこと、就職を希望する卒業生は全員カーディーラー、建設機械業、自動車保険会社、研究・開発職、カスタム・レース部門、公益法人等に正社員として
就職をしています。
ミニオープンキャンパスを毎週土曜日に開催。在籍する学生がキャンパスを案内します。
また、定期的に行われるオープンキャンパスでは在学する学生と模擬授業が体験できます。
イベント等も開催しているので興味のある方はぜひ参加してみてください。
見学予約やオープンキャンパスの申し込みはこちらから。