KANTO Industrial College

自動車整備士学校から目指せる大型トラック整備士!収入は?仕事内容は?

大型トラック整備士は、自動車整備士業界でもトップクラスに収入がいい仕事です。

大型トラックの需要も高まっており将来的にもトラック整備士の仕事はなくならず、職に困ることはないと言われています。

そこで今回は、自動車整備士学校の方が大型トラック整備士を目指す方法、そしてトラック整備士の将来性などについて詳しく解説していきます。

自動車整備士学校から大型トラックの整備士も目指せる!

自動車整備士学校を出た人は、大型トラックを整備する資格を受験するための要件がスキップされる可能性があり、大型トラックの整備士を目指すうえで非常に有利なのです。

そして大型トラック整備士は、給与などの面からみても非常にメリットが大きく、将来性のある仕事といえるでしょう。

大型トラック整備士になる方法は?

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大型トラック整備士になるためには、「一級大型自動車整備士」の国家資格が必要となります。

この資格は通常であれば、二級の同資格を取ったうえで実務経験を3年以上積まないと受験資格がもらえません。

また国が認める自動車整備士学校を、「二級ジーゼル自動車整備士」の国家資格を取ったうえで卒業している人であれば、この受験資格の要件がスキップされます。

卒業した段階から、大型トラック整備士を目指すことが可能なのです。

ただしこの一級大型整備士の資格は、非常に難関な資格となっています。

試験は学科と実技の2つに分かれており、それぞれ科目が非常に多いです。

学科試験の科目

学科試験の科目は、以下のような内容になっています。

1.構造、機能及び取扱い法

2.点検、修理、調整及び完成検査の方法

3.整備用機械に関する初等知識

4.整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱い法

5.材料及び燃料油脂の性質及び用法

6.図面に関する一般知識

7.保安基準その他の自動車の整備に関する法規

※引用:国土交通省ホームページ

基本的なところから応用的なところまで、多岐にわたり出題されます。

また、一級の場合は、「口述試験」といい、学科試験同様の内容を、実際に話して説明する試験もあります。

故障箇所・不具合箇所の特定における出題が多く、事前にあらゆるパターンを想定して勉強していかないと詰まってしまい、なかなか合格できるものではなく注意が必要です。

実技試験の科目

実技試験の科目は、以下のような内容になっています。

1.基本工作

2.点検、分解、組立て、調整及び完成検査

3.修理

4.整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い

※引用:国土交通省ホームページ

実際にトラックを整備するにあたって、必要な項目を一通り要求されます。

トラックの構造などをほぼ完全に理解していないと、解答するのは非常に難しい内容です。

一級大型自動車整備士資格の合格率

一級大型自動車整備士の合格率は、およそ20%といわれています。

経験者のみが受験してこの数字なので、非常に難しいことは明らかです。

しかし、それだけの難関資格だけあって、合格できたときのメリットは非常に大きいものとなっています。

現在は二級ジーゼル資格だけでも大型トラック整備はできる

実は現在、一級大型自動車整備士の試験は一時的にストップしています。

そのため、現在では二級ジーゼル資格の所持者も、大型トラックの整備をすることが許可されています。

しかし、再度一級大型自動車整備士の試験が始まれば、大型トラックの整備は、いずれ「一級大型自動車整備士」の資格所持者だけが行うこととなるでしょう。

そのため、一級大型自動車整備士を目指して勉強することは決して無駄にはならず、将来を支える基盤となってくれます。

二級ジーゼル資格でも大型トラックの整備が許されている現在では、卒業していきなりトラック整備士をしながら、一級大型自動車整備士の資格を目指すという効率的な取り方も目指せます。

ここからは、実際に「一級大型自動車整備士」の資格を持っている状態で目指せる就職先などを解説していきます。

大型トラック整備士の就職先はどこ?

大型トラック整備士の就職先は主に、大型トラックの製造・販売をしているメーカー・ディーラーや、規模の大きい自動車整備工場などがあげられます。

大型トラック整備士は、Amazonを代表とする物流業の発達によって、大型トラックの需要が上がり、今かなり需要が高まっています。

しかし、その資格の難易度もあり、慢性的に人手不足の状態が続いているのも現状です。

そのため、大型トラック整備士は、一度資格を取ってしまえば基本的に就職先に困ることはありません。

一級大型自動車整備士の免許を取得していれば、それだけで就職先の選択肢が相当数広がります。

この後解説しますが、大型トラック整備士は収入も高く、生活も安定します。

まさに「手に職」をつけた状態となれるため、自動車整備士学校を卒業して、大型トラック整備士を真っ先に目指すのは非常にメリットの大きい選択肢なのです。

大型トラック整備士の収入はどのくらい?

大型トラック整備士の初年度平均年収は、456万円というデータがあります。

一般の自動車整備士の平均年収が391万円とのことで、大型トラック整備士の年収がはるかに多いことが分かります。

しかも、このデータは、大型トラック整備士の「初年度平均年収」と一般自動車整備士全体の「平均年収」を比較しているので、実際にはさらに昇給などで給与の差があることが分かります。

また、多くの大型トラックディーラーでは、賞与額もかなり大きいようで、代表的なトラックディーラー「いすゞ」では、平均1回71万円以上の賞与が出ているとの記録もありました。

以上のことから、大型トラック整備士は収入が一般の自動車整備士より遥かに高く収入面で困ることはなさそうですね。

大型トラック整備士の仕事内容は?

大型トラック整備士の仕事内容は、ざっくり言うと点検整備・車検・故障修理です。

この点は、一般的な自動車整備士と変わらないですね。

ですが、大型トラックの点検整備・車検はとても一人で終わるものではなく、2、3人でチームを組み、最大8時間程度かかる大規模なものです。

部品は一般自動車と比較し大きく、重いため、体力が必要な仕事となっています。

ですが、大型の機械をさまざま使って効率的に作業をすすめていくうえ、2、3人で仕事をすることがほとんどのため、1人で自動車の点検整備・修理などを行うことのある一般自動車の整備よりも体力を使わないと言っている方も多いです。

実際には整備工場にある設備・環境などでも大きく異なるのでしょうか、意外と、「大型トラックの整備士だからキツい」ということはないようですね。

「キツいから給料が高い」というわけではないので、大型トラック整備士は非常におすすめです。

大型トラック整備士のさらに上のランクの仕事もある

大型トラック整備士には、「自動車整備主任者」「自動車検査員」といった、更に上位ランクの資格が存在します。

これらの資格を取れば、大型トラック整備士としての、さらなる昇進・昇給を狙う事ができます。

大型トラック整備士を目指すことで、さらに先のライフプランまで練ることができると言えるでしょう。

大型トラック整備士としてのキャリアパスについて

・初級整備士/見習い整備士
大型トラック整備士を目指す最初の段階では、整備工場やディーラーシップなどで見習いとして働くことが一般的です。ここでは基本的な整備作業や点検を学び、経験を積んでいきます。

・一般整備士
見習い期間を終えると、一般的な整備士として独立した作業を行うことができるようになります。エンジン、ブレーキ、電気系統など、大型トラックの各種部品やシステムの整備に携わります。

・上級整備士/専門整備士
経験を積んで技術や知識を高めると、上級整備士や専門整備士として昇進することができます。特定の部品やシステムに特化し、より高度な整備作業やトラブルシューティングを担当することが一般的です。

・チーフ整備士/チームリーダー
整備工場などでの上級整備士の経験を積んだ後、チーフ整備士やチームリーダーとして、他の整備士の指導や作業の監督を行うポジションに進むことがあります。大型トラックの整備以外に組織内でのリーダーシップと管理能力が求められます。

・サービスマネージャー/整備マネージャー
さらに経験を積んで管理能力を高めると、整備工場やサービスセンターのサービスマネージャーや整備マネージャーに昇進することがあります。整備スタッフのスケジュール管理や業務改善、顧客対応などを担当します。

・自営業/独立起業
一定の経験と資金を持っている場合、独立して自ら整備工場を開業することも選択肢の一つです。独立起業にはリスクもありますが、自分のビジョンを追求することができる可能性も高まります。

大型トラック整備士はどんな人におすすめ?

大型トラック整備士は、以下のような方におすすめです。

・一級大型自動車整備士の資格を取る気概がある

・トラックや大型車が好き

・自動車整備士業界でも特に安定した仕事に就きたい

それぞれ、詳しく解説していきます。

一級大型自動車整備士の資格を取る気概がある

まず前提として大型トラックの整備士になるには、一級大型自動車整備士の資格を取ることが必要です。

(現在は二級ジーゼル資格でも整備することは可能ですが将来的に資格が必要になります)

自動車整備士の資格の中でも最難関の資格を取る必要があるので、それだけの勉強をする気合と根性がどうしても必要になってくるでしょう。

トラックや大型車が好き

トラックや大型車がそもそも好きな人は、トラック整備士を苦だと感じることも少ないのではないでしょうか。

トラック整備士はどうしても体力を使う仕事です。

そんな中、気力を保つための材料はどうしても必要になってきます。

トラック・大型車が好きでその仕事をしているということ自体が気力を保つための材料であり、この仕事が適当であると言えるでしょう。

自動車整備士業界でも特に安定した仕事に就きたい

大型トラック整備士は、自動車整備士の業界の中ではトップクラスに待遇がいい仕事といえます。

また、Amazonをはじめとした物流業のサービス発達により、大型トラックを利用した配送の需要はさらに高まっていくことが予想されます。

これに付随して、トラック整備士の仕事はどんどん増えてくるでしょう。

また一級大型自動車整備士の試験が再開すれば、いずれはトラックの整備は完全に有資格者が行うだろうと予想されています。

そうなれば一級大型自動車整備士を目指すことは、そのまま将来の安定に直結することともいえるでしょう。

まとめ:大型トラック整備士は高収入で将来性のある仕事!

大型トラック整備士は自動車整備士業界ではトップクラスに高収入で将来性もあるため、まさに「手に職をつける」ことが目指せる職種といえます。

現在は試験を実施していませんが、「一級大型自動車整備士」の資格が復活したらすぐに取得できるよう実務を積みながら勉強し、一歩先の将来の安定まで考えられる「トラック整備士」の仕事を目指してみるのは、悪くない選択肢ではないでしょうか。

就職におけるひとつの選択肢として、参考にしてください。