「進路を決めないといけないが、やりたいことがないためとりあえず大学に行こう」このような考えの方は非常に多いはずです。
大学卒業後から働き出すのか、高校卒業後に働き出すのかでは生涯収入に大きな差が出てきます。
それ以外にも大学を卒業することにより得られるメリット、デメリットも存在するので最後までご覧ください。
まずは大学に進学するメリットから解説していきます。
進学を迷っている方はぜひ参考にしてください。
就職活動の際、大卒者は高卒・専門卒者などと比べて採用試験の募集対象となる企業の数が確実に増えます。
総合職の採用試験は多くの場合、大卒以上でなければ受けられません。
また、医師や薬剤師など、大学の特定の学部を卒業しなければ就けない仕事もあります。
就職の他、より深く学問を究めたい人には、大学院に進学するという道も用意されています。
これは専門学校などにはない*選択肢です。
*一部の4年制専門学校は大学院への進学が可能です。
もちろん「学歴が全て」というわけではありませんが、大卒の学歴は少なくとも就職活動において進路の幅を最大化する意味があると言えます。
大学では自分の興味のある学問を選び、それを4年間かけて専門的に勉強・研究できます。
選択できる分野は経済学、法学、理学、工学、医学など幅広く、座学だけでなく実証実験やフィールドワークなども交えて深く学べることが意味の一つと言えます。
一つの学問を4年間かけて追究できる機会は大学や大学院にしかありません。
大学では、学問の他にも大学生という身分でなければ実行できない・実行が難しいことが意外に多くあります。
例として、交換留学*やゼミ、サークル活動などが挙げられるでしょう。
こうした経験から得られるチャレンジ精神や行動力、協調性や人間関係の構築力などは、本やネットだけでは絶対に得られません。
*自分の大学に在籍したまま、海外の提携大学に一定期間留学できる制度。費用が抑えられるなどのメリットがあります。
また、大学生は社会人に比べて自由な時間が多く、その時間を好きなことに充てられます。
例えば、多くの大学では7月~9月頃にかけて約2か月の夏季休暇があり、長期の海外旅行やインターン、ボランティア活動、合宿など「学生だからできること」に挑戦できます。
それを通して新たな学びを得られるというのも大学に進学する大きな意味です。
一方、社会人にとって夏休みと言えるのはお盆の時期の数日程度。大学生のように様々なことに挑戦するのは難しいかもしれません。
将来の夢があまり明確でない人にとっては、大学はこれまで自分が持っていなかった新たな視点が得られ、将来やりたいことが見つかる場となる可能性があります。
大学では自分の選んだ専攻分野に加え、一般教養として心理学、統計学、歴史学、天文学などさまざまな分野の科目を選択することも可能です。
こうした一般教養科目を通して新たなフィールドに興味が湧き、将来進みたい方向性が見えてくるかもしれません。
また、ゼミやサークル、講演会、インターンなどで多くの人と出会い、新たな価値観や考え方に触れることで新たに見えてくることもあるでしょう。
就職率こそ大卒と高卒で全く差はありませんでしたが、生涯年収となるとかなり大きな差が生まれます。
以下が高卒と大卒の生涯年収をまとめた表になります。
男性 | 女性 | |
大卒 | 約2億7千万 | 約2億4千万 |
高卒 | 約2億3千万 | 約1億8千万 |
上記の額が全てではないものの、平均的な数値で見てみると、大卒と高卒で3000千万~5000千万ほどの差があります。
しかし、高卒として働いている人の中には、大卒と変わらない年収を貰っている人もいるため一概に大卒の方が平均年収が高いわけではありません。
大卒と高卒がいる職場では、後から入社してきた大卒の方が出世スピードが速い傾向があります。
また、高卒の場合は勤続年数が長くなっていくにつれて、一定の役職まで上り詰めることができても、それ以上の役職に就けないケースが多いです。
それでは、なぜ大卒の出世スピードが早くて、重要な役職に就けるのか?
この理由は、大学を出ていることにより、様々な教養が身に付いていることが大きな要因。
大卒というだけで、一つのブランドになるので、重要なポジションは大卒に任せたいという考えの企業が多くなっているのです。
しかし、全ての企業で大卒の待遇が良いという訳ではなく、高卒と同じ待遇の会社もたくさんあります。
また、実力主義の会社であれば、学歴に関係なく成果を上げた人が評価されるため、大卒と高卒で出世スピードが変わらないケースもあります。
次に皆さんが気になっているであろう大学進学のデメリットについて解説していきます。
進学をするか迷っている方はぜひ参考にしてください。
大学に進学すると、私立大学で1000万円、国立大学だと800万円ほどの学費を払わなければなりません。
加えて大学進学を機に一人暮らしを始める場合は。家賃や生活費などもかかるため、様々な出費がかかることになります。
両親が学費や生活費を払ってくれる場合は、特に負担に感じることは無いものの、奨学金を借りる場合はその後の人生に大きな負担がかかります。
数十年に渡って返済していかなければならないため、進学する場合は、数千万かけて進学する必要があるのかもう一度考えてみましょう。
高卒として就活する人に比べて、大学に進学すると最低でも4年は社会人としてのスタートが遅くなってしまいます。
そのため、高卒よりも社会人としてのスキルや経験が、遅くなってしまうということを理解しておかなければなりません。
4年間の差は、なかなか埋められるものではありません。
また、大学在学中に何の目的も持たずに4年間を過ごしてしまうと、無駄に進学したことになります。
私学する上ではメリットだけではなく、大きなデメリットがあるということを理解しておきましょう。
では高卒で就職するメリットはあるのでしょうか?
こちらについても解説していきます。
まず挙げられるのは、大学や短期大学に進学するよりもいち早く社会人のスタートが切れて、自立することができることです。
高卒であっても大学に4年間通うより、濃密な社会人経験を4年間積めば、大卒で入社する人よりもいち早く成長することができます。
大学に私学した人よりも4年早く給料がもらえることもメリットと言えるでしょう。
就職するまでは、アルバイトや両親から貰っていた額よりも大きな額を貰えるため、自分の好きなことにお金が使えます。
家庭環境などで大学進学が困難な場合は、奨学金をもらって大学に行くか、給料がもらえる就職をするかになります。
奨学金は社会人になってから返済していかなければならないため、いわば借金のようなものです。
大学に進学してまで学びたいことがない、早く働きたいという人は就職を選ぶ方がメリットがあるでしょう。
また、就職してから大学に行きたい場合は、一度会社を退職や休職をして大学に入るという手もあります。
大学に進学した人よりも、お金に余裕ができるというのもメリットのうちの一つ。
免許を取得したり車を買ったり、また旅行にも行けたりと、早い段階で好きなように使えるお金ができるというのは高卒で就職した人の特典です。
大学に行けば、親からの仕送りや奨学金で日々の生活をまかなったり、洋服を買ったりするので、そこまで好きに使えるお金はありません。
しかし、就職していれば自由に使えるお金の額が違うので、好きなことに使うほか、将来に備えてしっかりと貯金もすることができます。
お金の大切さ、働くことの大変さを早くから経験することで、人として厚みが出てくるでしょう。
高卒で就職するデメリットについて解説していきます。
大卒の人に比べて、高卒は就職先の選択肢がかなり少ないというデメリットがあります。
これは、企業や職種によっては、応募資格に大学卒業を条件としているところもあることが理由です。
限られた就職先の中から、就職先の企業を選ばなければならないため、自分のやりたい仕事に就ける可能性がかなり低くなってしまいます。
また、待遇面でも大卒との差が大きく、入社後に大卒の同期よりも待遇や査定評価が不利になってしまうケースも。
高卒として就職すると自分がやりたい仕事に就けないという人は、大学に進学するのも考えたほうが良いかもしれませんね。
大卒は大学でより高い教育を受けているため、労働の質が高いと判断され、初任給が高く設定されています。
対して高卒は、大卒と比較して初任給が低くなってしまう傾向があります。
また、昇給や出世は遅くなりがちだったり、生涯賃金は大卒者よりも低くなったりという傾向もあるようです。
高卒よりも早いタイミングで社会人になれるものの、大卒が社会人になったら、様々な面で不利になってしまいます。
しかし、全ての企業でこのような傾向があるわけではありません。
情報、工業、福祉など専門的な知識と技能が必要とされる職種では、専門教育を受けた高卒者と専門教育を受けていない大卒者では、逆転する可能性もあります。
また、企業によっては学歴を一切考慮せず、純粋にその人の仕事での成果だけで評価をし、給料を決定する人事方針のところもあります。
先進的な会社を選べば、高卒という学歴が不利にならず、成果だけで競争をする環境が整っているので、仕事のやりがいや達成感をより得られるでしょう。
大学に進学することで得られるメリットは多く存在します。
その中でも金銭的な面は将来変わってくるので覚えておきましょう。
現在の状況や将来なりたい未来像などを考え検討していくことをおすすめします。