通勤・通学、仕事、荷物の運送、旅行にお買い物等、自動車は私達の生活に欠かせない重要な乗り物です。
自動車整備士はお客様の生活に不便が出ないように、自動車のメンテナンスや修理を行う自動車のお医者さん的な存在です。
お客様から信頼されるお医者さんになるために自動車整備士は日々成長していかなければなりません。
自動車整備士は知識力・技術力・経験力や資格の有無によって、自動車整備工場内での仕事内容や責任能力が異なって来ます。
取得できる資格を積極的に取得して、自動車整備工場の運営の中心となる自動車整備士になることが自動車整備士としての最終的な目標となります。
国家資格である自動車整備士資格を取得した者が自動車整備士となれます。
自動車整備士は決して楽な仕事ではないですし、ツナギの作業服を半分脱いで腰で縛った状態等のカッコをつけた服装で出来る仕事でもありません。
お客様の大切な自動車を整備をしている、お客様の命を守る仕事をしているという強い気持ちを持って仕事に取り組むことによって、自動車整備士として成長する事ができます。
自動車整備士は自動車の進化に合わせて自身を進化させ、必要な資格をその都度取得をしてステップアップをしていかなければいけません。
自動車整備士となるには国家資格である自動車整備士資格を取得する必要があります。
自動車整備士資格は1級・2級・3級自動車整備士、特殊整備士に分かれており、希望する進路や仕事内容、自身のレベルアップに合わせて各資格を取得していくこととなります。
国家資格以外にも自動車検査員資格や電子制御システムに関わる整備ができるようになる特定整備主任者の資格も仕事に合わせて取得していくこととなります。
自動車整備工場では組織図上、受付係・工員・整備主任者・自動車検査員に分かれています。
受付係はお客様の接客、見積書の作成・提示、精算業務等が主な仕事となります。組織図上担当者は決まっているのですが、カーディーラー等では、ほぼ全工員が行う作業となります。
工員は自動車整備工場で自動車の点検・整備・修理を行う主力の作業員です。経験や技術力、国家資格の有無により仕事内容は異なります。
2級自動車整備士以上で会社や自動車整備工場より任命された整備主任者は、車検の受け入れ検査や分解整備の中間検査等を行います。ほとんどの整備主任者が工員と兼任をしています。
自動車検査員は国が行う車検の完成検査を代行して行い、指定自動車整備工場では必ず1人以上の在籍が必要となります。指定自動車整備工場の運営に関するほぼ全ての責任を背負う仕事となります。
現在、自動車産業界では自動車整備士不足が深刻な問題となっています。原因として若者の自動車離れがあげられています。
若者の自動車離れが進んでいても自動車は生活に欠かせない必需品なので、自動車整備士不足が深刻化している自動車産業界では、今後、自動車整備士の需要が上がるとみられています。
自動車整備士の平均年収は391万円で、サラリーマンの平均年収497万円に比べるとかなり安く、月収にすると7万円もの差がついてしまいます。
今後、自動車整備士の需要が上がるに連れて自動車整備士の年収も上がるとみられています。
電気自動車や水素自動車等の次世代カーが次々と登場し、無人運転自動車や空飛ぶ自動車までもが登場して自動車産業界は世間の注目を集めています。
自動車産業界が盛り上げをみせている状況になっている現在、自動車産業に関わるほとんどの業種で人員不足が囁かれています。自動車整備士も高齢化が進んでおり人員不足が深刻化しています。
自動車整備工場やカーディーラーでは知識力・技術力・接客力に加え、これからの自動車産業界に対応できる人材を求めています。
自動車整備士はこれまでの自動車の構造・仕組みを覚えるのはもちろんのこと、次世代カーに対応できる能力も身に付けていくこととなります。
次世代カーは複雑な電子制御システムを採用しています。電子制御システムのトラブルを修理するのには電気回路を理解する能力とパソコンを使用したデータの収集・解析能力が必要となってきます。
電動車両(EV)やハイブリッド車両(HEV)の普及が進む中、整備士がこれらに対応するには、特別なトレーニングや認定資格の取得が必要となります。日本国内の資格や、メーカーが提供するトレーニングの詳細について解説します。
高電圧作業特別教育とは、高電圧を使用する電動車両の整備作業を安全に行うために求められる資格で、労働安全衛生法に基づいています。
電動車両の高電圧バッテリーやインバータ、モーターなどに触れる作業を行う整備士が対象となります。
内容では、高電圧機器の基本知識や感電リスクの防止策、高電圧用工具や絶縁装備の使用法などがあります。
取得方法としては、専門の教育機関やメーカーが主催する講習を受講や自動車整備技術講習(電気自動車向け)、国土交通省が認定する講習などがあります。
●トヨタの技術トレーニングプログラム
トヨタの技術トレーニングプログラムでは、ハイブリッドシステム(THS)や電動車両の基本構造、高電圧バッテリーの安全管理、診断機器の操作方法を学ぶことができます。
特徴として、トヨタ車に特化した実践的な内容で、ディーラーや整備工場に勤務する技術者向けとなっています。
●日産のEV技術講習
日産リーフを例に、電動パワートレインやバッテリー診断、冷却システムの整備方法を中心に講習を行います。
特徴では、EV整備の基礎から応用まで段階的に学ぶことができます。
●ホンダの先進技術講座
ホンダのハイブリッド技術(e:HEV)やEVシステムのトラブルシューティング技術を学ぶことができます。
ホンダの認定サービス工場の技術者が学ぶことができます。
EVやHEVの普及に伴い、整備士には従来型のスキルだけでなく、新しい技術と知識を身につける必要があります。「高電圧作業特別教育」などの国内資格や、メーカーが提供するトレーニングプログラムを活用することで、電動車両整備に対応できるプロフェッショナルとして成長することが可能です。また、最新の診断機器を使いこなすスキルや、国際的な資格の取得も、今後のキャリアを広げる上で大きな助けとなるでしょう。
無資格でも自動車整備工場に就職をして仕事をしていくことは可能ですが、仕事の内容はかなり制限されてしまいます。自動車整備工場で働きながら自動車整備士資格を取得することも可能ですが、独学で試験に合格する必要があるため、かなり険しい道のりとなります。
自動車整備工場の求人は2級整備士以上が殆どとなりますので、自動車整備士養成施設の学校等で自動車整備士資格を取得してから就職するのが一般的となります。
1級自動車整備士は高度な故障探求や電子制御システムに関する整備のスペシャリストで、自動車整備工場の中心として他の工員をリードしていきます。
現時点では2級自動車整備士がいれば自動車整備工場の運営は成り立ってしまい、2級自動車整備士との明確な差はないのですが、電子制御装置の特定整備制度が始まったことにより今後、需要が上がるといわれています。
2級自動車整備士は走る・曲がる・止まるの保安基準に関わる部位の分解整備を行うことが出来るようになり、自動車整備工場では主力として仕事をしていきます。
知識や経験を得て整備主任者、自動車検査員へとステップアップをしていき自動車整備工場の運営を支えていくこととなります。
2級自動車整備士資格はガソリンエンジン・ジーゼルエンジン・シャシ・二輪自動車の4つに分かれているので、自身に必要のある資格を取得することになります。
3級自動車整備士は自動車の基本的な点検・調整・整備が行えるようになりますが、走る・曲がる・止まるの保安基準に関わる部位の分解整備を単独で行うことが出来ません。
分解整備を行うことの出来ない3級自動車整備士の主な仕事は各種オイル交換やタイヤ交換、点検整備となります。
3級自動車整備士資格も2級自動車整備士資格同様に、ガソリンエンジン・ジーゼルエンジン・シャシ・二輪自動車の4つに分かれいます。
自動車整備士資格を取得するには、自動車整備工場やカーディーラー等で実務経験を積んでから自動車整備士資格の試験を受験して合格するか、自動車整備士養成施設の学校に進学をして自動車整備士資格の試験を受験して合格するかになります。
現在、無資格者を受け入れる自動車整備工場やカーディーラーは少なく、自動車整備士養成施設の学校に通い自動車整備士資格を取得するのが一般的となります。
無資格で自動車整備工場やカーディーラー等に就職をした場合は1年以上の実務経験を積むことによって3級自動車整備士資格の試験を受験することができます。
3級自動車整備士資格取得後3年以上の実務経験を積むことによって2級自動車整備士資格の試験を受験することができるようになります。更に、1級自動車整備士を目指す場合は2級自動車整備士資格取得後3年実務経験を積むことで1級自動車整備士資格の試験を受験することができるようになります。
無資格者が自動車整備工場やカーディーラーに就職した場合、1級自動車整備士になるのに最低でも7年かかります。
高校を卒業後、自動車整備士養成施設の学校に進学をした場合は3級自動車整備士資格は1年コース、2級自動車整備士資格は2年コース、1級自動車整備士資格は4年コースの修了課程をうけることで受験資格が与えられます。
自動車整備士養成施設の学校で修了課程を受けると自動車整備士資格試験の実技試験が免除されるので学科試験に合格することで自動車整備士となることができます。
各級全てに実技試験・学科試験があり、その両方に合格することで自動車整備士となることができます。
3級自動車整備士資格試験では自動車の基本的な構造・しくみ、計測機器・工具の正しい使い方、法令・環境問題、計算問題等が学科試験として出題されます。実技試験では自動車の基本的な点検、測定物の測定、計測機器・工具の正しい使い方等が出題されます。
2級自動車整備士資格試験では3級自動車整備士資格試験の問題に加えて、保安基準に沿った問題や分解整備に関する問題、回路図の計算等、応用的な問題が学科試験で出題されます。実技試験では3級自動車整備士資格試験に点検・分解・組立、簡単な故障診断等が追加された問題が出題されます。
1級自動車整備士資格の試験は学科試験に口述問題が追加され、口述によって故障系統の特定や診断方法を導かなければなりません。学科・実技試験共に2級・3級自動車整備士資格試験の問題を遥かに越える知識・技術が必要な問題が出題されます。
1級自動車整備士資格の平均合格率は約31%とかなり低くなっています。過去問題にプラスして新機構の問題が出題されるため、学科試験での不合格者が多い傾向にあります。
2級自動車整備士資格の平均合格率は約62%となっております。3月と10月の年2回行われる試験で、自動車整備士養成施設の修了課程を受けた人達が受験をする3月の試験では合格率が90%近くになりますので、独学で合格するのはかなり難しくなります。
3級自動車整備士資格の平均合格率は約57%となっており、独学で受験する人が多い為低い数値となっております。
2級自動車整備士の平均合格率をみればわかるかと思いますが、独学で自動車整備士を目指すのは非常に難しいです。自動車整備士養成施設に通って確実に試験に合格することで自動車整備士としての扉が開かれます。
自動車整備士を目指すなら専門学校がおすすめです。理由は実習を行いながら技術・知識を身につけることができ、資格取得前ら自動車整備士としての道を歩む事ができるからです。
関東工業自動車大学校では広い実習場でノビノビと自動車に触れることができ知識力・技術力を身につけることができます。更に、2級自動車整備士資格試験の合格率も97,4%とかなり高い合格率となっています。
自動車整備士は資格の有無によって仕事内容や責任能力が大きく変わってきます。取得できる資格を積極的に取得していくことで自身のレベルアップに繋がり、お客様から信頼を得ることができます。
自動車整備士にゴールはありません。日々進化する自動車に対応できる能力をつける為に知識力と技術力を磨き続け、職場の仲間やお客様に信頼される続ける仕事が自動車整備士です。