全世界で日本のモノ作り技術の評価は高く、トヨタ、ソニー、任天堂といった企業の名前は誰もが知る言葉です。
世界の自動車販売数も日本の自動車メーカーが毎年上位にランクインし、自動車メーカーの活動拠点が世界中に存在しています。
世界中で日本の自動車が売られているということは、世界中に日本の自動車を整備している自動車整備士がいるということになります。
繊細で丁寧な仕事をする日本人の自動車整備士は海外の人からも注目されており、今後、海外で働く日本人自動車整備士が増えてくるかもしれません。
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海外からきた旅行客が日本について語る時に必ず言うのが街がきれい、治安がいい、お店の店員さんの接客が素晴らしいということです。
日本人にとってはごく日常的な普通のことですが、海外の人達からすると凄いことなんですね。
日本人は学校で掃除の時間があるのが当たり前になっていますが、外国の学校では清掃員を雇って学校の清掃をしています。
日本ではどの業種の会社に入社しても、まず始めに教わるのは整理・整頓・清潔・清掃についてです。
もちろん自動車整備士にとっても整理・整頓・清潔・清掃はとても大事なことで、部品が乱雑になっていれば部品を探すのに時間がかかってしまうし、工具の手入れを怠れば工具本来の力が発揮できなくなってしまい作業効率も悪くなってしまいます。
学生時代から整理・整頓・清潔・清掃が身に付いている日本人は作業を効率よく行うことができ、作業に集中できるために丁寧な仕事をすることができるのです。
ファストフード店で異物混入があった場合、日本ではお客様はクレームを入れるし、お店側もクレームに対して真摯に対応をして商品の交換や返金等の対応を行います。
外国では安くて、頼んだ物がすぐに出てくるファストフード店で異物が入るのは当たり前のことという認識がお客様・店員の双方にあるためにクレームを入れるお客様も少ないし、クレームを入れても店員に素っ気ない対応をされてしまいます。
日本では金額が安くてもお客様をもてなす文化がありますが、チップのある国等ではお客様の代わりに料理を運んだり物を作ったりしているのだからチップをよこせという文化になっています。
この考え方の差に海外からきた旅行客は日本のお店の対応は素晴らしいと感じるのです。
日本と同様に自動車大国であるアメリカのカーディーラーや自動車整備工場では、フロントマンが新車や中古車の販売から自動車の修理の依頼までをこなし、個別に利益を得て収入にするシステムを用いている所が数多く存在しています。
自動車整備士はフロントマンに個別に雇われており、解雇されない・賃金を上げたい等の理由によりお客様の車を綺麗にしてフロントマンにアピールをします。
アメリカの自動車整備士は自動車の整備よりも自動車を綺麗にすることを優先してしまうために、自動車は走れば問題ないという感覚が身に付いてしまっています。
依頼された自動車の修理を行われずに自動車が綺麗になって返ってくることが多々あるそうです。
これが日本だったらどうでしょう?
あり得ない話ですよね。日本の自動車整備士はお客様の依頼をこなすことを第一として仕事をします。もちろん納車の時には洗車をしてお客様にお渡しします。更に、その後の調子うかがいまで行います。
フロントマンに良く思われる為に自動車を綺麗にするのと、お客様の安全の為に自動車をご用命どおりに整備するのではどちらがお客様の信頼を得ることができるか?
答えは後者のお客様のご用命どおりに整備をする方です。
実際に日本に在住している外国人の方で日本人の自動車整備士のレベルに驚いている人も沢山います。
文化の違いがありますが、丁寧でお客様に寄り添った整備ができる日本人の自動車整備士。今後更なる注目を浴びることは間違いないでしょう。
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自動車整備士は国内外問わずに不足していると言われています。
日本では若者の自動車離れが進んでいて、海外では低賃金問題や次世代カーの整備知識が追い付かない等の理由で自動車整備士が不足していると言われています。
国内の自動車整備士の平均年収は他業種に比べて約100万円程低くなっていますが、昨今の自動車整備士不足を受けて平均年収は徐々に上がってきています。
一方海外の自動車整備士の年収は前述したように個人契約をしている人も多いため、実力によって年収に大きな差が出てしまいます。
どちらがいいとは一概に言えませんが、安定を求めるなら国内、リスクを承知で一攫千金を夢見るなら海外というような感じになります。
国内での自動車整備士を目指すのに英語は必要ありません。
自動車整備士の世界で使う英語はドアやオイル、ミラー等の日本語として意味の通じるものばかりなので英語は必要ありません。
もちろん英語のスキルを身につけておけば外国人のお客様相手にスムーズな接客はできますが、日常の作業で英語を使用することはありません。
海外で自動車整備士になりたい場合は英語はもちろん必要となります。最低でも日常会話程度の英語力がないと、お客様のご用命やフロントマンの指示を聞くことができません。
また、自動車整備士以外の開発エンジニア等を目指す人は、海外の企業と連絡を取り合ったりするので日常会話程度の英語スキルを取得しておいた方が良いでしょう。
海外で自動車整備士を目指すのに英語以外に必要な資格はそれぞれの国によって異なります。
ただし、前述したように海外での日本の自動車整備技術の評価は非常に高いので自動車整備士資格は取得しておくようにしましょう。
自動車整備士資格は1級から3級までの自動車整備士と特殊整備士があります。
1級自動車整備士は小型自動車、大型自動車、二輪自動車にわかれていますが、現在のところ1級小型自動車整備士資格の試験しか実施されていません。
2級自動車整備士はガソリン・エンジン自動車、ジーゼル・エンジン自動車、自動車シャシー、二輪自動車にわかれています。
3級自動車整備士はガソリン・エンジン自動車、ジーゼル・エンジン自動車、自動車シャシー、二輪自動車にわかれています。
特殊整備士は自動車タイヤ整備士、自動車電気装置整備士、自動車車体整備士にわかれています。
海外で自動車整備士として生活を送るのには永住権や就労ビザが必要となってきます。
永住権や就労ビザの取得条件は各国によってことなるので、いつ海外から帰国してもいいように日本の自動車整備工場でも重宝される自動車整備士資格を取得することが理想となります。
現在の日本の自動車整備工場は2級自動車整備士以上の資格を持っている自動車整備士がいれば、全ての運営を行うことができるので求人もほとんどが2級自動車整備士以上になっています。
更に、各国とも次世代カーの開発を進めていて今後次世代カーが主流となってきます。
1級自動車整備士資格は次世代カーにも対応できる技術と知識を得てなければ取得することができません。
海外で自動車整備士を目指す人は最低でも2級自動車整備士、できれば1級自動車整備士の資格を取得するようにしましょう。
日本ではガソリンエンジンの自動車が主流となっていますが、ヨーロッパ等ではジーゼルエンジンが主流となっています。2級自動車整備士資格を目指す人はガソリンエンジン、ジーゼルエンジン両方の資格を取得するようにしましょう。
自動車整備士の資格を得るには、働きながら資格を取得するか、自動車整備士養成施設の学校に通って資格を取得するかにわかれます。
国内外を問わずに自動車整備士資格を取得するには自動車整備士養成施設の学校に通うのがオススメですが、海外で自動車整備士を目指す人には特にオススメとなります。
自動車整備工場で仕事をしながら経験をつんで資格を取得するにはプライベートな時間も取りづらく、資格を取得するのに膨大な時間を要します。
一方、自動車整備士養成施設の学校であれば授業が終わった後にプライベートな時間を作ることができます。
前述したように海外で自動車整備士を目指すには日常会話程度の英語スキルが必要となります。
自動車整備士養成施設の学校では必要のない英語の授業は行われませんが、授業が終わった後に英会話スクール等に通い英語スキルを取得することができます。
自動車整備士養成施設の学校に通えば無駄な時間を使わずに最短で海外での自動車整備士の道が開かれます。
関東工業自動車大学校では1級自動車整備科、2級自動車整備科共に充実した設備で実技をメインとした授業を行い、確かな技術と知識を得ることができます。
更に、関東工業自動車大学校では外国人向けの国際サービスエンジニア科があるので、交流を深めることで自身の英語スキルをアップさせることも可能となります。
2年に1回行われる技能五輪国際大会で日本人はあらゆる部門で上位に入る活躍をしています。
もちろん自動車に関係する自動車工部門、車体塗装部門や自動車板金部門でも素晴らしい結果を残し続けて世界にその技術力を示しています。
実力主義の世界で勝ち上がるのは凄く大変なことですが、今まで日本で培ってきたお客様へのおもてなしの心や丁寧で確かな技術は海外で最大の武器となります。
世界中で称賛される自動車整備士にきっとなれるはずです。