自動車整備士は自動車産業において欠かせない仕事の一つです。ただ、そんな自動車整備士の年収が低いという噂もあります。やりがいがあっても給料が低いと、生活していく上では苦しいものがあります。
そこで今回は、自動車整備士の給与と将来性、さらに年収をアップさせる方法まで紹介していきます。自動車整備士の仕事に興味があるという方には参考になる内容ばかりなので、ぜひチェックしてみて下さい。
自動車整備士の気になる平均給与と、これからの将来性について確認していきます。
日本自動車整備振興会連合会が発表した「平成30年度版 自動車整備白書」によると、自動車整備士の平均給与は以下であるとされています。
平均年収:391万1000円
平均月収:26万9724円
低いという噂もある自動車整備士の給与ですが、それほど低い印象はありません。ちなみに、調査時の自動車整備士の平均年齢は45.3歳です。
自動車整備士の平均給与額と比較するため、厚生労働省が発表した「令和2年賃金構造基本統計調査」の企業別の賃金額を確認します。
大企業:377万1,000円(平均年齢42.9歳)
中企業:331万7,000円(平均年齢43.2歳)
小企業:302万4,000円(平均年齢45.6歳)
実は自動車整備士の平均年収が、大中小企業の平均の賃金額と比べても高いことが分かります。
自動車整備士の平均給与が低いという認識は、どうやら誤りのようです。
さらに、自動車整備士の平均給与額はどのような変化を遂げているのかを確認していきます。
・2014年度:378万円
・2015年度:379万円
・2016年度:383万円
・2017年度:388万円
・2018年度:391万円
上記は、日本自動車整備振興会連合会による「平成30年度版 自動車整備白書」を参考にした、自動車整備士の平均年収額です。
2014年から2018年にかけて、なんと13万円も平均給与額が上昇していることが分かります。
また近年は、自動車の安全装備の標準的な搭載や、自動運転システムの開発が進められています。そうしたことからも、これまで以上に自動車を保有する人口が増加して、自動車整備士の需要は高まっていくと考えられます。
自動車業界の中でも、自動車整備士は平均年収が低いと考えられています。
その内容をまとめました。
昨今は若者の車離れが指摘され、自家用車を持つ方が昔に比べて減少傾向にあります。
また車検の際などでは、必要最小限の整備だけしてもらえばいいと考える方も増えており、自動車整備業界の業績は伸び悩んでいる現状となっています。
また車の整備を行うための環境設備に掛かる費用も要因の一つしてして上げられます。
自動車整備に必要なリフトや大型設備や特殊工具の用意に費用が掛かり、企業によってはその機材をリースとしていることで設備を維持するための費用も掛かっています。
これらの整備環境を維持する費用が多額で、従業員の給料アップを行うことにハードルが高くなっていると考えられます。
自動車整備士の給与は、取得する資格や勤務先によって変わるのか、以下の項目で確認していきます。
自動車整備士の資格には、等級別の区分けがあります。その中から、二級自動車整備士と一級自動車整備士の仕事内容の違いと、給与について確認します。
1)二級自動車整備士
自動車整備に関しての業務を全般的に実施できる資格です。自動車整備士をする上で、二級自動車整備士は基本の資格となりますが、高い技術が必要な分解作業や自動車検査員としての業務をすることはできません。
平均年収は、380万円程度とされています。
2)一級自動車整備士
自動車整備に関する全般的な業務に加えて、高度な分解作業や他の整備士への作業指示などもすることができます。二級自動車整備士と比べて、より高いレベルの整備技術や知識を有しています。
一級自動車整備士の平均年収は、420万円程度とされています。
上記内容からも、二級自動車整備士と一級自動車整備士の仕事内容には、やや違いがあることが分かります。また、その平均年収に関しても、最上級資格である一級自動車整備士の方が40万円程度高くなっています。
続いて、ディーラーと民間の整備工場での給与に関して、違いがあるのかを確認します。以下は、「平成30年度版 自動車整備白書」による、ディーラーと民間整備工場それぞれの平均年収に関する資料です。
1)ディーラーの平均年収
2016年度:450万円
2017年度:457万円
2018年度:466万円
2)民間整備工場の平均年収
2016年度:354万円
2017年度:357万円
2018年度:358万円
2018年度だけを比較してみても、民間整備工場の平均年収が358万円であるのに対して、ディーラーの平均年収は466万円となっており、なんと108万円の差が生まれています。
ただ、どちらに関しても年を追うごとに平均年収は上昇しており、自動車業界の需要は高まっていることが裏付けられています。
より高い給料で働きたいのであれば、ディーラーを目指すのがいいですね。
こちらの調査では最も初任給が高いのは「いすゞ」でした。続いて「日野」です。いずれもトラックなどの大型車も取り扱っている企業ですね。それだけ、ディーラーの仕事内容に専門性が必要なのでしょう。
せっかく働くなら、給料が高い企業で働きたいですね。
それでは、自動車整備士として年収を着実にアップさせる方法について紹介していきます。実践的な方法ばかりなので、ぜひチェックして下さい。
これまで紹介した内容からも分かるように、年収が高い自動車整備士の特徴は以下です。
1)1級自動車整備士の資格を有している
2)ディーラーに勤務している
1級自動車整備士の平均年収は約420万円で、2級自動車整備士の平均年収と比較して高い給与となっています。
また、ディーラーと民間整備工場の平均年収に関しては、2018年度はディーラーの方が108万円高いという結果が出ています。
年収が高い自動車整備士の特徴は分かりましたね。しかし、実際にそうした自動車整備士を目指すにはどうすれば良いのでしょうか。次の項目で、実践的な方法を紹介していきます。
上級の自動車整備士資格を取得することで、仕事の範囲を増やすことができます。自らの価値を高めて、勤務先においての貴重な人材となることで、昇進やボーナスアップなども見込めます。
自動車整備士の資格試験では、筆記試験と実技試験を合格しなければなりません。ただ、自動車整備士は国家資格であるため、その難易度は高いとされています。
埼玉県鴻巣市にある関東工大(関東工業自動車大学校)では、1級自動車整備士、または2級自動車整備士の資格取得に向けて有効な知識や技能を身に着けることができます。
関東工大での、資格合格率は以下です。
1)一級自動車整備士
合格者累計:91.9%(合格者数842名/受験者数916名)
2)二級自動車整備士
合格者:97.4%(合格者151名/受験者数153名)
※2019年3月卒業生実績
2つの国家資格の合格率が、どちらも90%を超える高い合格率となっています。この結果は、関東工大のカリキュラムがいかに資格取得に沿った優れた内容であるかを証明しています。
自動車整備士資格の高い合格率に加えて、関東工大に入学すれば、卒業後の進路も安心です。その理由は以下です。
・正社員としての就職率は100%
・学生一人に対しての求人数が約4社
・就職先企業数は531社
正社員就職率が100%という数字にも驚きですが、就職先企業数が531社もあるため、自分の第一志望の企業へ就職することも夢ではありません。
また、関東工大のこれまでの就職先企業としての実績は以下です。
1)メーカー
トヨタ、日産、マツダ、ホンダ、スバル、ダイハツ、三菱、スズキ、フォルクスワーゲンなど
2)大型自動車系
・関東いすゞ自動車株式会社、三菱ふそうトラック・バス株式会社など
3)その他
・東京海上日動調査サービス株式会社、日立建機日本株式会社、ブリヂストンリテールジャパン株式会社、一般社団法人日本自動車連盟 など
自動車の大手メーカーは、ほぼ全てと言っても良いほど網羅しています。
そのため、大手ディーラーの自動車整備士として就職し、給与面で満足のいく環境で働くことが可能です。また、大手ディーラーに就職すれば、最新技術を搭載した自動車を整備する機会も多くなり、自分自身のレベルを高めることができます。
関東工大では、実技を中心としたカリキュラムを組んでいるため、就職後も即戦力としてスムーズに社会人デビューをすることができます。
近年の次世代自動車と呼ばれる、電気自動車やハイブリッド車などの自動車が多く発売されています。
新しい自動車を買い替える人も、次世代自動車への買い替えを検討している人も多くいると考えられます。
今後の自動車業界では、IT化に対応した知識やなど次世代自動車の整備に必要な力を身につける必要が出てきます。
次世代自動車では、専門的な知識や技術を要するシステムが搭載されているため、 次世代自動車の修理や整備を行う技術を身につけましょう。
次世代自動車の普及が進んでいるなかで、ほかの整備士との差別化を図るためにも、早めの次世代自動車をメンテナンスできる知識やスキルを持った自動車整備士に進むことを推奨します。
少しでも早く取り掛かり、次世代自動車のメンテナンス技術を取得することで年収アップにも繋がると考えます。
1)電動車(EV)とハイブリッド車(HEV)の普及
世界的に電動車やハイブリッド車が普及する中で、これらの車両に関する専門知識が求められるようになっています。従来のガソリンエンジンに比べて電気モーターやバッテリー技術の知識が必要となり、これに対応できる整備士の需要が高まります。このような技術を習得した整備士は、他の整備士よりも高い給与を得る可能性があります。
2)自動運転車両の整備
自動運転技術が進化すると、車両には高度なセンサー、カメラ、LIDAR、ソフトウェアが搭載されます。これらの新しい技術に対応できる整備士は、従来のメカニカルな整備だけでなく、ソフトウェアの診断やアップデートなどの技術が求められます。この分野に対応できる整備士の給与は、従来の整備士よりも高くなる可能性があります。
3)車両のリモート診断とメンテナンス
将来的には、車両が自己診断機能を持ち、リモートでの診断やメンテナンスが可能になることも考えられます。この技術革新により、整備士は物理的な作業だけでなく、リモートでの診断作業が求められるため、ITスキルやデータ解析能力が重要となり、これに精通した整備士の給与が上昇する可能性があります。
自動車整備士の平均給与と年収アップを目指す方法についてまとめます。
・自動車整備士の平均年収は4年間で13万円アップしている
・自動車整備士の平均年収は約391万円で、大企業の平均よりも多い
・二級自動車整備士よりも、一級自動車整備士の方が平均年収は多い
・民間整備工場よりも、ディーラーの方が平均年収は多い
・関東工大には、自動車整備士資格の高い合格率と、就職率100%の実績がある
これから自動車の需要はますます高まり、自動車整備士の給与はアップしていくことでしょう。
関東工大では、毎週土曜日にミニオープンキャンパスを開催しており、在校生が学校内を丁寧に案内してくれます。
もし気になったという方は、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。