バイクが好きすぎて、ぜひバイク整備士になりたい人も多いでしょう。
憧れや好きなものを職業にするのは素晴らしいことですが、どの程度の年収を得られるのか、こちらも気になるのは当然です。
バイク好きならもちろん、自分自身でバイクを持って、維持もしていきたいでしょう。当然、収入も大事です。
バイク整備士の年収、そしてバイク整備士になる方法について見ていきます。
年収の前に、バイク整備士について、仕事や資格の概要を見ておきましょう。
実際にバイクの整備を仕事としている人はいますが、職業や資格としては「自動車整備士」の中の一部ということになります。
自動車整備士の中に、四輪車や二輪車、それから特殊車両や大型自動車など、さまざまな整備の仕事が存在するわけです。
どの仕事も整備士ではありますが、求められる資格はやや異なります。
バイク整備士は、二輪車の整備、点検、修理を行います。依頼に応じてカスタマイズをすることもあります。
大型二輪から原付まですべての二輪車の整備をします。
バイクが四輪車と異なる点があります。車両1台ごとの特性が大きいということです。
四輪車と比べ、使い方により自然と個性ができてきますので、その特徴に合わせた整備やカスタムを施さなければなりません。
それだけ、経験がものを言う仕事です。
二輪車はユーザーの思い入れが四輪より強く、整備士ならではのアドバイスを聞いてもらいやすいでしょう。
それだけ、プロとしての満足度は高い仕事です。
自動車整備士の資格の中には、二輪自動車整備士があります。
1級から3級までありますが、1級は実施されたことがなく、今後の実施もなさそうです。
二輪自動車整備士の最高峰は、2級です。2級整備士の資格があれば、分解整備をはじめとする、バイクのあらゆる整備ができます。
もちろん資格だけ持っていても日頃バイクに携わっていないとバイク整備士とはいえません。二輪の資格を持っていても、四輪自動車の整備ばかりしている人も実際にいます。
バイク整備の環境については、四輪自動車の世界と異なることがあります。ガソリンで動くクルマがまだまだ普通だということです。
電動バイクが増えたり、安全設備が新たに加わるということも少ないない、昔ながらの業界です。
バイク整備士を必要として、求人募集のある職場は次の通りです。
・バイクショップ(バイクディーラー)
・中古車ディーラー
・バイク用品店
・自動車整備工場
・ガソリンスタンド(整備工場併設)
バイクショップではもっぱら、整備の対象はバイクのみで、四輪は扱いません。
それ以外の職場においては、二輪車専門の整備工場もありますが、四輪車メインに整備をすることが多いです。
多くの自動車整備士が働いている四輪自動車のディーラーでは、整備士が二輪を触ることはまずありません。
もっぱらバイクを触りたいのなら、バイクショップが確実でしょう。
四輪自動車のカーディーラーでは、販売(営業職)と整備士の仕事は分かれていることが多いですが、バイクショップの場合は規模も小さいので、兼業していることが多いです。
バイクショップで整備だけやっていればいいというわけには、なかなかいかないでしょう。
バイク整備士になりたいなら、2級の二輪自動車整備の資格はあったほうが確実です。
持っていないとしても、いずれ2級まで取得を目指すべきです。3級資格だと、補助業務が主になります。
2級二輪自動車整備士取得までの、主なステップは次のいずれかです。
・自動車大学校等の整備士専門学校に2年通い、卒業時に資格を取得
・整備工場等で1年の実務経験を積んだのち、「3級」二輪自動車整備士を取得する。その後さらに3年の実務経験を積んで、「2級」自動車整備士の受験資格を得る。合格すると2級。
専門学校に通えば、ほぼ全員が卒業時に2級に合格します。学校に通う場合、「ガソリン」「ジーゼル」等四輪の整備資格も一緒に取得するのが普通です。
自動車整備士になるためには、学校に通わずに整備工の実務を先行し、経験を積んで受験資格を得ることもできます。
実務経験の年数については、高校等で一切機械や自動車に携わっていない場合です。自動車科や機械科を卒業している場合は短縮されます。
それから試験を受ける場合、3級も2級も、自動車整備振興会の実施する講習(有料)を受けてから挑む人が多数派です。講習を受けることで、難関の実技試験が免除され、勉強しやすい筆記試験だけになるためです。
ちなみに、二輪の合格率は他よりやや低めです(7割程度)。
ですがちゃんと筆記試験の勉強をし、講習に参加する人なら大丈夫のはずです。
実務経験で取得する場合、四輪の2級を取得する機会が少ないかもしれません。四輪も整備するつもりなら、合わせて計画しておきましょう。
気になるバイク整備士の年収について見ていきます。
バイク整備士の場合、世間比較だけでなく四輪の自動車整備士との比較も求められます。
自動車整備業界においては、各種統計等で年収平均が割り出せます(資格のない整備工も含んだ数字となる)。
ただし、バイク整備士に限定したデータはないので、ある程度補正しなければなりません。
Web上に載っている平均年収は、バイク整備士求人から求められた平均値のため、実情を正しく示しているとは限りません。
それでも、統計や、業界の傾向と照らし合わせて補正すれば、十分役に立ちます。
次の情報に基づいて数字の補正をします。
・四輪車のカーディーラーより、バイクショップのほうが年収は低くなる傾向
・整備工場においては、四輪も二輪も変わらない傾向
ここから、あくまでも補正込みではありますが、次の概算の数値が得られます。
・バイク整備士全体の年収・・・360万
・バイクショップ整備士の年収・・・420万
・(参考)自動車整備士全体の年収・・400万
・(参考)四輪カーディーラー整備士の年収・・・470万
扱っているクルマがバイクの場合、どうしても四輪の整備士よりも年収低めになる傾向があります。
最近は副業も充実しては来ましたが、極力本業を頑張って年収を安定して上げたいものです。
次の努力で年収は上がっていきます。
・分解整備を確実に実施する(2級資格が必要)
・バイクショップでバイクの販売をすることによる歩合給等
・バイク保険を販売する
・検査員になる
・中古車の査定をする
こういった方法で、年収400万から450万程度にすることも可能でしょう。
業界の中で着実にステップアップを心掛けていけば、チャンスが増えます。
それから、クルマのことなら、二輪だけでなく常に最新知識を持っておきたいものです。
バイク業界の先行きが気になりますが、長く低下傾向にあったバイクの売上が回復したというニュースもあります。
バイクはもともと趣味的な要素が強いので、整備業界も、引き続き一定の需要があるでしょう。
ただ、年収を確保するためには、黙々と整備だけしていればいいわけではありません。
バイクの販売事態を支えていって、年収を上げていきましょう。 そしてバイクを好きになればなるほど、顧客への説得力も増していきます。