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自己推薦文の書き方まとめ|合格につながる文章のコツ

自己推薦文の書き方で悩んでいませんか?この記事では、大学入試の総合型選抜や就職活動で合格を引き寄せる自己推薦文の書き方を、4つのステップで徹底解説します。合格の鍵は、徹底した自己分析と応募先が求める人物像の理解にあります。基本構成やシーン別の例文、文字数別のポイント、評価を下げるNG例まで網羅しているため、この記事だけで採用担当者の心に響く、説得力のある文章が書けるようになります。

自己推薦文とは 目的と重要性を理解しよう

自己推薦文とは、その名の通り「自分自身を推薦する」ための文章です。大学入試や就職活動、奨学金申請などの選考過程で提出を求められます。履歴書や成績証明書といった客観的なデータだけでは伝えきれない、あなた自身の強み、経験、人柄、そして将来性や熱意をアピールし、「自分がその組織にとって、いかにふさわしい魅力的な人材であるか」を具体的に証明することが最大の目的です。

特に、総合型選抜(旧AO入試)や推薦入試、企業の採用活動における人物重視の選考では、自己推薦文が合否を大きく左右するケースも少なくありません。多くの応募者の中から抜きん出て、採用担当者や選考委員の目に留まるためには、自己推薦文が他の応募者との差別化を図るための最も重要なツールとなります。単なるアピール文ではなく、あなたの思考力、論理的説明能力、そして個性や人間性までを伝えるための「プレゼンテーション資料」と捉え、その重要性を深く認識することが合格への第一歩です。

自己PR文や志望理由書と混同されがちですが、それぞれ役割が異なります。自己PR文が「自分の強み」に焦点を当てるのに対し、志望理由書は「なぜその組織でなければならないのか」という動機を述べます。自己推薦文はこれらの要素を統合し、「自分の持つ強みや経験が、その組織でどのように活かされ、貢献できるのか」という視点で、自分自身を客観的に推薦するという特徴があります。つまり、自分の能力と応募先への貢献意欲を結びつけ、説得力を持って語る文章が求められるのです。

合格を引き寄せる自己推薦文の書き方 4つのステップ

自己推薦文の作成は、単に文章を書く作業ではありません。自分という商品を魅力的にプレゼンテーションするための戦略的なプロセスです。ここでは、合格という結果を掴むための具体的な4つのステップを詳しく解説します。このステップに沿って進めることで、誰でも論理的で説得力のある自己推薦文を作成することができます。

ステップ1 書く前の準備が9割 徹底した自己分析と情報収集

自己推薦文の質は、書き始める前の準備段階でほぼ決まります。自分自身を深く理解し、アピール先が何を求めているかを知ることが、揺るぎない土台となります。時間をかけて自己分析と情報収集に取り組むことが、他の応募者と差をつけるための最初の、そして最も重要な一歩です。

自分の強みや長所を見つける方法

まずは自分自身の「武器」となる強みや長所を客観的に把握することから始めましょう。これまでの人生を振り返り、楽しかったこと、夢中になったこと、困難を乗り越えた経験などを書き出してみてください。モチベーショングラフを作成して感情の起伏を可視化したり、友人や家族に「自分の長所は何か」と尋ねる「他己分析」も非常に有効です。自分では当たり前だと思っていることの中に、他人にはないユニークな強みが隠れていることがよくあります。これらの作業を通じて、単なる性格ではなく、具体的な行動や成果に結びつく自身の特性を明らかにしていきましょう。

アピール材料になるエピソードを洗い出す

強みや長所を見つけたら、それを裏付ける具体的なエピソードを複数洗い出します。部活動、学業、アルバイト、ボランティア活動、個人的な趣味など、どのような経験でも構いません。重要なのは、その経験の中で「どのような状況(Situation)で、どのような課題(Task)があり、自分がどう考え行動し(Action)、その結果どうなったか(Result)」を明確にすることです。この「STARメソッド」と呼ばれるフレームワークで整理することで、単なる経験の羅列ではなく、あなたの思考プロセスや人柄、ポテンシャルを伝える説得力のある材料となります。できるだけ多くのエピソードをリストアップし、アピールしたい強みと結びつけておきましょう。

応募先が求める人物像をリサーチする

どれだけ素晴らしい強みやエピソードがあっても、それが応募先の求めるものと合致していなければ評価にはつながりません。大学であれば「アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)」、企業であれば公式サイトの「企業理念」や「求める人物像」を徹底的に読み込みましょう。説明会やオープンキャンパスに参加したり、OB・OG訪問をしたりして、パンフレットには書かれていない生きた情報を収集することも重要です。応募先がどのような人材を求めているかを正確に理解し、自分の強みと重なる部分を見つけ出すことで、自己推薦文でアピールすべき軸が定まります。

ステップ2 文章の骨格を作る 基本の構成案

準備段階で集めた材料を、論理的で読みやすい文章に組み立てていくステップです。優れた自己推薦文は、例外なくしっかりとした構成に基づいています。ここでは、読み手の心を掴み、内容をスムーズに理解させるための基本的な文章構成術を紹介します。

PREP法を活用した説得力のある構成

自己推薦文の構成で最も効果的なのが「PREP法」です。これは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論の再提示)の頭文字を取った文章構成術です。最初に最も伝えたい自分の強みや適性を述べ、次にその理由を説明し、具体的なエピソードで裏付け、最後に改めて貢献意欲などで締めくくります。この流れで書くことで、採用担当者はあなたの主張を迷うことなく理解でき、説得力を感じやすくなります。自己推薦文全体を大きなPREP法で構成し、さらに各段落も小さなPREP法で組み立てることを意識すると、より一層論理的で分かりやすい文章になります。

書き出し 読み手の興味を引く冒頭文

採用担当者は数多くの自己推薦文に目を通します。そのため、最初の数行で「おっ、この応募者は違うな」と思わせることが極めて重要です。ありきたりな自己紹介から始めるのではなく、あなたの最も伝えたい強みをキャッチーな言葉で表現したり、最も印象的なエピソードの一場面から書き始めたりと、工夫を凝らしましょう。「私の強みは、課題解決のために周囲を巻き込む力です」のように、最初に結論を提示することで、読み手はその後の文章を読む目的が明確になり、内容に引き込まれやすくなります。書き出しは、あなたの第一印象を決める大切な部分です。

本論 具体的なエピソードで強みを裏付ける

書き出しで提示した強みや結論を、具体的なエピソードを用いて証明する、自己推薦文の核となる部分です。ここでは、ステップ1で洗い出したエピソードの中から、最もアピールしたい強みを効果的に示せるものを選びます。その際、ただ出来事を説明するのではなく、その状況で何を考え、どのような困難があり、それを乗り越えるためにどう行動したか、そしてその経験から何を学んだかというプロセスを詳細に記述することが重要です。あなたの思考の深さや人柄、成長性を伝えることで、文章に厚みと信頼性が生まれます。

結び 将来性や貢献意欲で締めくくる

自己推薦文の締めくくりは、これまでの内容をまとめ上げ、未来への展望を示す重要な部分です。これまで述べてきた自身の強みや経験を、入学後・入社後にどのように活かしていきたいか、具体的に述べましょう。「貴学の〇〇という環境で、私の△△という強みを活かして□□に貢献したい」というように、応募先への理解度を示しつつ、貢献への強い意欲をアピールします。採用担当者に「この人を採用すれば、将来活躍してくれそうだ」というポジティブな未来をイメージさせることができれば、合格はぐっと近づきます。感謝の言葉で締めくくるのも丁寧な印象を与えます。

ステップ3 採用担当者の心に響く文章作成のコツ

構成が固まったら、次は文章の表現力を高めていく段階です。同じ内容でも、言葉の選び方や伝え方ひとつで、読み手に与える印象は大きく変わります。他の応募者の中に埋もれない、あなたの魅力が際立つ文章を作成するためのテクニックを紹介します。

オリジナリティのある表現で差別化する

「コミュニケーション能力」「主体性」「協調性」といった言葉は、多くの応募者が使うため、そのままでは印象に残りません。大切なのは、これらの言葉をあなた自身の言葉で具体的に表現することです。例えば「コミュニケーション能力」を「初対面の人の懐に飛び込み、3分で笑顔にさせる傾聴力」と言い換えるだけで、人物像が生き生きと浮かび上がります。ありきたりな表現を避け、あなたならではのユニークな比喩や経験に基づいた言葉で語ることで、採用担当者の記憶に強く刻まれる文章になります。

具体的な数字や固有名詞を入れる

文章の説得力を飛躍的に高めるのが、具体的な数字や固有名詞です。「たくさんの部員をまとめた」よりも「100名の吹奏楽部で、副部長として練習メニューの改善を提案した」と書く方が、状況の規模感やあなたの役割が明確に伝わります。「売上を上げるために頑張った」ではなく「〇〇という課題に対し、△△の施策を実行し、店舗の売上を前年比115%に向上させた」と記述することで、実績の信頼性が格段にアップします。客観的な事実である数字や固有名詞は、あなたの主張を裏付ける最も強力な証拠となります。

専門用語を避け誰にでも伝わる言葉を選ぶ

あなたが学んできた分野や取り組んできた活動について熱く語ることは素晴らしいですが、その際に専門用語や業界用語を多用するのは避けましょう。自己推薦文を読む相手は、必ずしもその分野の専門家ではありません。むしろ、人事担当者など、全く異なる分野の人が読むケースがほとんどです。自分の研究内容や活動を、その分野に詳しくない中学生にも理解できるように説明するくらいの意識で、平易な言葉を選ぶことが重要です。誰にでも伝わる言葉で書くという配慮は、あなたのコミュニケーション能力の高さを示すことにも繋がります。

ステップ4 提出前の最終チェックと推敲

素晴らしい内容の自己推薦文も、たった一つのケアレスミスで台無しになってしまうことがあります。書き上げた文章は、いわば完成前の原石です。提出前の最終チェックと推敲という研磨作業を経て、初めて輝きを放ちます。この最後のひと手間を惜しまないことが、合否を分けることもあります。

誤字脱字や表現の最終確認リスト

提出前には、必ず複数回の見直しを行いましょう。その際、以下のリストを参考にチェックすると漏れが防げます。

  • 誤字・脱字はないか
  • 「です・ます調」や「だ・である調」が統一されているか
  • 「ら抜き言葉」や「い抜き言葉」などの文法的な誤りはないか
  • 一文が長すぎて読みにくくなっていないか
  • 同じ語尾や表現が続いていないか
  • 接続詞は正しく使われているか

客観的な視点を取り入れるための第三者チェック

自分一人で何度も読み返していると、思い込みや慣れからミスや分かりにくい点を見逃しがちです。そこで絶大な効果を発揮するのが、第三者によるチェックです。学校の先生やキャリアセンターの職員、信頼できる友人や家族など、自分以外の誰かに読んでもらい、率直な意見をもらいましょう。自分では完璧だと思っていた文章でも、他人にとっては意味が伝わりにくかったり、論理が飛躍していたりすることがあります。客観的なフィードバックを素直に受け入れ、推敲を重ねることで、文章の完成度は飛躍的に高まります。

【シーン別】自己推薦文の書き方と例文

自己推薦文は、提出するシーンによって評価されるポイントが大きく異なります。大学入試では「将来性や学習意欲」、就職活動では「企業への貢献度」、奨学金申請では「学ぶことへの熱意と必要性」が特に重視されます。ここでは、それぞれのシーンに特化した書き方のコツと、具体的な例文を紹介します。自分の状況に合わせて、アピールすべき点を効果的に伝えましょう。

大学入試(総合型選抜・推薦入試)向けの書き方と例文

大学入試における自己推薦文は、学力試験だけでは測れないあなたの個性や学習意欲、将来性をアピールするための重要な書類です。評価者は、あなたが大学の教育理念や方針(アドミッション・ポリシー)に合致した人材であるかを見ています。なぜこの大学のこの学部で学びたいのか、入学後に何を成し遂げたいのかを明確にしましょう。高校時代の探究活動や部活動、ボランティアなどの経験と、大学での学びを具体的に結びつけ、「この大学でなければならない」という強い熱意を伝えることが合格への鍵となります。

【例文】法学部 総合型選抜(800字想定)

私が貴学法学部を志望する理由は、現代社会が直面する複雑な課題に対し、法的思考力をもって解決策を提示できる人材になりたいと強く願っているからです。特に、情報化社会の進展に伴うプライバシー権や知的財産権の問題に関心があります。

この関心を深めるきっかけとなったのは、高校2年生の時に参加した模擬裁判の授業です。架空のSNSトラブルを題材に、検察側と弁護側に分かれて議論を交わしました。私は弁護側として、表現の自由と個人のプライバシー保護のバランスがいかに難しいかを痛感しました。判例や関連法規を調べる中で、法律が単なるルールの集合体ではなく、人々の権利を守り、社会を円滑に機能させるための知恵の結晶であることを学びました。この経験から、法律の専門知識を体系的に学び、情報社会における新たな法的課題に取り組みたいと考えるようになりました。

貴学のアドミッション・ポリシーに掲げられている「多角的な視点から社会問題を発見・分析する能力」は、まさに私が目指す姿です。特に、情報法を専門とする〇〇先生のゼミに魅力を感じており、先生の指導のもとで最先端の議論に触れ、自身の研究テーマを深めていきたいです。入学後は、法律相談部にも所属し、実践的な経験を積みながら、将来はIT関連の法務に携わり、デジタル社会の健全な発展に貢献したいと考えています。

就職活動・転職活動向けの書き方と例文

就職・転職活動における自己推薦文(自己PR)は、あなたが「企業にとって採用する価値のある人材」であることを証明する場です。採用担当者は、あなたのスキルや経験が、自社の事業にどう貢献してくれるのかを知りたがっています。そのためには、企業研究を徹底し、応募先企業が求める人物像と自分の強みを合致させることが不可欠です。過去の実績を語る際は、「売上を1.5倍にした」のように具体的な数字を用いて説得力を持たせましょう。あなたの能力が、入社後も再現性をもって発揮できることをアピールするのがポイントです。

【例文】Webマーケティング職 転職(600字想定)

私の強みは、データ分析に基づいた課題解決能力と、それを実行に移す行動力です。この強みを活かし、貴社のWebマーケティング戦略の更なる発展に貢献できると確信しております。

現職の化粧品メーカーでは、自社ECサイトのマーケティング担当として3年間、新規顧客獲得と既存顧客のLTV(顧客生涯価値)向上に従事してまいりました。当初、サイトの直帰率の高さが課題でした。そこでGoogle Analyticsを用いてユーザー行動を詳細に分析した結果、特定の製品ページのコンテンツがユーザーの求める情報と乖離しているという仮説を立てました。この仮説に基づき、A/Bテストを繰り返しながらページの構成や訴求内容を改善。さらに、購入者アンケートの結果を反映させたコンテンツを追加したところ、半年で対象ページの直帰率を20%改善し、ページ経由の月間売上を150万円向上させることに成功しました。

常にユーザー視点に立ち、データという客観的な事実に基づいて仮説検証を繰り返す姿勢は、貴社が展開する〇〇事業においても必ず活かせると考えております。これまで培ってきた分析力と実行力を武器に、貴社のサービスをより多くのユーザーに届け、事業成長の即戦力として貢献していく所存です。

奨学金申請向けの書き方と例文

奨学金申請の自己推薦文では、「なぜ奨学金が必要なのか」という経済的な理由と、「学業に対する強い意欲」の両方を誠実に伝える必要があります。選考委員は、あなたが支援するに値する人物か、そして将来社会に貢献してくれる可能性を秘めているかを見ています。経済的な困難を述べつつも、それに屈しない学習意欲と明確な将来の目標天を示すことが重要です。奨学金を得ることで、学業にどれだけ専念できるようになり、その結果としてどのような目標を達成したいのか。そして、その学びを将来どのように社会へ還元していきたいかというビジョンまで具体的に描きましょう。

【例文】給付型奨学金(800字想定)

私は将来、地域医療に貢献する理学療法士になることを目標に、貴学の理学療法学科で学んでいます。この目標を達成するため、学業に専念できる環境を確保したく、この度、貴財団の奨学金を志望いたしました。

父が病気で倒れた際、リハビリを担当してくださった理学療法士の方の姿に感銘を受けたことが、この道を志すきっかけです。患者本人だけでなく、不安を抱える家族にも寄り添い、専門知識と温かい励ましで心身両面から支える姿は、私の目標となりました。現在、大学では解剖学や運動学などの専門科目に力を入れており、全ての科目でA評価を維持しています。しかし、家計を支えるため週4日のアルバイトが必須となっており、予習復習や実習に向けた自主学習の時間を十分に確保することが難しい状況です。

もし奨学金のご支援をいただけましたら、アルバイトの時間を減らし、その分を学業に充てることができます。特に、高齢者のリハビリテーションに関する知識を深めるため、関連文献の購読や学外のセミナーにも積極的に参加したいと考えております。経済的な不安なく学問に打ち込める環境は、私の夢を実現するための大きな助けとなります。卒業後は、故郷の過疎地域にある病院に勤務し、私がかつて支えていただいたように、今度は自分が患者様とそのご家族を支えることで、地域社会に貢献していく所存です。何卒、ご支援いただけますようお願い申し上げます。

文字数別の自己推薦文の書き方

自己推薦文で求められる文字数は、大学入試や企業の採用選考によって様々です。400字程度の短いものから、800字や1000字を超えるものまであります。文字数に応じて、アピールすべき内容の深さや構成の仕方は大きく変わります。ここでは、代表的な文字数ごとに、評価される自己推薦文を作成するためのポイントを具体的に解説します。

400字で簡潔にまとめるポイント

400字という短い文字数では、情報を詰め込みすぎると内容が散漫になり、かえって印象に残りません。最も伝えたい核心部分を明確にし、無駄を削ぎ落として簡潔にまとめる「凝縮力」が求められます。まず、アピールしたい自身の強みや長所を一つに絞り込みましょう。そして、その強みを最も効果的に示せるエピソードを一つだけ選びます。文章構成は、結論を最初に述べるPREP法を意識し、「結論(私の強み)→具体例(エピソードの要約)→貢献意欲」という流れを基本とします。エピソード部分は、状況説明を最小限に留め、「どのような課題に対し、自分がどう考え、どう行動したか」という主体的なアクションを中心に記述することで、あなたの個性や能力が際立ちます。

800字から1000字で論理的に構成するポイント

800字から1000字という十分な文字数が与えられている場合、単に情報を増やすのではなく、あなたの人間性や思考の深さを多角的に示すチャンスです。短い文章では伝えきれなかったエピソードの背景、動機、直面した困難、そしてそれを乗り越えるまでの試行錯誤のプロセスを具体的に描写しましょう。これにより、あなたの強みに説得力と物語性が生まれます。また、一つの強みを軸にしながら、それを裏付けるエピソードを複数盛り込む構成も有効です。例えば、「課題解決能力」をアピールしたい場合、学業での研究とアルバイト先での業務改善という異なる場面での経験を記述することで、その能力が再現性のある本質的なスキルであることを証明できます。文章全体を「序論・本論・結論」で構成し、本論でエピソードを深掘りし、結論で経験から得た学びと将来の展望を結びつけることで、論理的で厚みのある自己推薦文が完成します。

自己推薦文で評価を下げるNGな書き方

どれだけ素晴らしい強みや経験があっても、書き方一つで評価を大きく下げてしまうことがあります。ここでは、多くの応募者が見落としがちなNGポイントを具体的に解説します。自分の自己推薦文が当てはまっていないか、提出前に必ずチェックしましょう。

抽象的で具体性に欠ける表現

「コミュニケーション能力が高いです」「リーダーシップを発揮しました」といった言葉は、多くの応募者が使うため、それだけではあなたの個性や能力が全く伝わりません。採用担当者は、あなたがその能力を「いつ、どこで、どのように発揮したのか」という具体的な事実を知りたいと考えています。誰にでも当てはまるような曖昧な言葉は、あなたの個性を消してしまいます。例えば「リーダーシップを発揮した」と書くのではなく、「文化祭の準備で意見が対立した際、双方の意見をヒアリングする場を設け、全員が納得できる代替案を提示することでチームをまとめ上げた」のように、具体的な行動や結果を記述しましょう。情景が目に浮かぶようなエピソードを盛り込むことで、言葉の説得力は格段に増します。

根拠のないアピールや嘘・誇張

自分を良く見せたいという気持ちから、実績を盛ったり、事実と異なる経験を書いたりすることは絶対に避けるべきです。採用担当者は数多くの自己推薦文を読んできたプロであり、面接での深掘り質問やリファレンスチェックなどを通じて、内容の不自然さや嘘を簡単に見抜きます。信頼を失うことは、内定や合格を逃す最大の要因です。一度でも虚偽が発覚すれば、他の素晴らしい実績やアピールポイントまで全て疑いの目で見られてしまいます。等身大の自分を正直に表現し、たとえ小さな実績であっても、そこに至るまでの努力や工夫を誠実に語る方が、よほど好印象を与えることを肝に銘じておきましょう。

ネガティブな表現や他責思考

自己推薦文は、あなたの前向きな姿勢や将来性をアピールする場です。過去の失敗や困難について触れること自体は問題ありませんが、「〇〇ができなかった」「環境が悪かった」といったネガティブな表現や、原因を他者や環境のせいにするような書き方は避けましょう。このような表現は、課題解決能力の欠如や協調性のなさを疑われる原因となります。失敗経験自体はマイナスではありませんが、そこから学び成長する姿勢を見せることが重要です。例えば、「前職では意見が通りにくかった」と書くのではなく、「多様な意見がある環境で、粘り強く対話し合意形成を図る重要性を学んだ」のように、経験から得た学びや成長へと転換して記述することで、ポジティブで建設的な人物であると評価されます。

応募先への理解不足が透けて見える

どの大学や企業にも当てはまるような一般的な内容の自己推薦文は、「志望度が低い」「本気で研究していない」という印象を与えてしまいます。特に「貴社の安定性に惹かれました」「貴学の有名な〇〇学部で学びたい」といった漠然とした志望動機は、テンプレートを使い回していることの証拠と見なされかねません。「あなただからこそ欲しい」と思わせるには、「ここだからこそ学びたい・働きたい」という熱意を具体的に示す必要があります。応募先の理念、カリキュラム、研究内容、事業展開などを徹底的にリサーチし、自分の強みや将来のビジョンが、その応募先でなければ実現できない理由を明確に結びつけて語りましょう。

基本的なルールやマナー違反

誤字脱字が多い、敬語の使い方が間違っている、「ですます調」と「だである調」が混在している、指定された文字数やテーマから逸脱しているなど、基本的なルールを守れていない文章は、内容を読んでもらう以前に評価を著しく下げます。このようなミスは、注意力や誠実さの欠如、ひいては仕事や学業に対する姿勢そのものを疑われる原因となります。内容以前の問題で評価を落とすのは非常にもったいないことです。書き上げた後は必ず複数回読み返し、可能であれば声に出して読んでみましょう。時間を置いてから再読したり、学校の先生やキャリアセンターの職員、友人といった第三者に客観的な視点でチェックしてもらったりすることも、基本的なミスを防ぐ上で非常に有効です。

自慢話や実績の羅列で終わっている

「〇〇大会で優勝」「TOEICで900点を取得」「部長としてチームを牽引」といった輝かしい実績も、ただ並べるだけでは単なる自慢話にしか聞こえません。採用担当者が知りたいのは、その実績そのものよりも、あなたがその結果を出すために「どのような課題に直面し」「どう考え、工夫し、行動したのか」というプロセスです。採用担当者が知りたいのは、実績そのものよりも、あなたがどのように考え行動する人物なのかという点です。実績に至るまでの努力や困難、そこから得た学びや気づきを具体的に語ることで、あなたの思考力、課題解決能力、人柄が伝わり、単なる実績の報告とは一線を画す深みのあるアピールが可能になります。

まとめ

本記事では、合格につながる自己推薦文の書き方を、準備から推敲までの4つのステップに沿って網羅的に解説しました。自己推薦文の目的は、単に自分の長所をアピールすることではなく、徹底した自己分析と相手先への深い理解に基づき、「なぜ自分が入学・入社するにふさわしいのか」を論理的に示すことです。これが、数多くの応募者の中からあなたを選んでもらうための最も重要な理由となります。

PREP法を活用した説得力のある構成、具体的なエピソードによる強みの裏付け、そしてオリジナリティのある表現は、あなたの熱意と人柄を伝えるための強力な手法です。一つひとつのステップを丁寧に進めることで、採用担当者や教授の心に響く、あなただけの物語を完成させることができるでしょう。

自己推薦文の作成は、自分自身と深く向き合う絶好の機会です。この過程で得られる自己理解は、面接はもちろん、その先の未来においてもあなたの大きな自信となります。この記事で紹介したポイントを武器に、あなたの持つ無限の可能性を文章に込め、希望の扉を開いてください。