自動車整備士の職場もさまざまで、整備工場だけではありません。
整備士の働きたい職場としては、カーディーラーも人気を集めています。
整備士にとって人気の職場をご紹介します。職場によっては高収入も目指せます。
自動車整備士に就きたいと思うとき、どんなイメージを持つでしょうか。一般的な整備工場以外のイメージも持ってみましょう。
整備士に人気の職場をランキングにしてみました。
調査基づくランキングではないですし、実際の職場環境もそれぞれ異なります。あくまでも職場を選ぶひとつのヒントとしてご活用ください。
1 . クルマのメーカー(エンジニア)
2 . カーディーラー
3 . 空港の特殊車両整備士
4 . 保険会社のアジャスター
5 . バス・タクシー・運送会社など車を多数扱う事業者
6 . 自動車整備工場
7 . ガソリンスタンド
比較的数が多く、仕事に就きやすいカーディーラーは後述します。それ以外を細かく見ていきます。
エコカーや安全設備、電気系統が複雑になったクルマが増えた今、研究開発の需要も飛躍的に高まっています。地球温暖化対策のことも考慮しなければなりません。
ただしメーカーは大手企業ばかりなので、競争率は当然高くなります。
開発エンジニアの職に就きたければ、進路の段階から考えないとなりません。
次のステップがあると、この仕事には就きやすいでしょう。
・ 大学でエンジニアリングを学んでいる
・ 1級自動車整備士資格を持っている
空港では、トーイングカーやカードローダーなど多くの特殊車両が稼働しています。
これらの特殊車両の整備の仕事があります。一般のクルマとは大きく異なるものの、自動車整備士の資格で働けます。
空港勤務では、休みが確実に取りやすいとされており、待遇も低いものではありません。
全国どこでも働く意思があれば、そして正社員にこだわらず派遣でも構わないなら、就けるチャンスは広くなります。
保険会社に存在する特殊な専門職がアジャスターです。保険金額査定のために自動車事故の調査を行います。
クルマの専門家である必要があり、同じ専門家である自動車整備士からステップアップする先の職種として人気があります。ただ自動車整備そのものではないので、他の職場とは内容は大きく異なります。
この職に就くには、技術アジャスターという資格が必要です。
アジャスターには保険会社に勤務する人と、フリーランスがいます。
整備士は、クルマが多くある職場には不可欠な仕事です。
バス、タクシー、運送会社等、営業車両を専用工場で扱う整備士の仕事も多数あります。
大手バス会社であれば、給与等の労働条件は比較的よくなりますが、新卒募集が主です。
ガソリンスタンド勤務の整備士を最下位に置きました。
これは条件が良くないという意味ではなく、勤務の内容が千差万別で、一筋縄ではいかないためです。
ガソリンスタンドといっても、認証工場や指定工場の看板があれば、一般的な自動車整備の仕事とほぼ同じです。車検のための点検を行う整備士もいます。
一方、工場ではないガソリンスタンドであれば、オイル交換やタイヤ交換が主となります。
珍しいところでは、フリーの自動車整備士という人も存在します。整備工場などの組織には属さずに、出張しての整備が主な仕事となります。
自動車整備の専門学校講師という道もあります。こちらは、実務経験をある程度踏まえてからのほうが教えやすいでしょう。
見てきた通り、自動車整備士の進路として可能性はたくさんあります。この中で常に高い人気を誇っている職場が、カーディーラーです。
ディーラー整備士を目指す人のために、その仕事と待遇を確認します。
カーディーラーとしては、まずは国内メーカー系列の自動車販売会社が思いつきますが、これ以外にも外車系ディーラー、中古車ディーラー等が存在します。
種類や扱うメーカーは違っても、ディーラーでは安全確保のため、定期的な点検を行う必要がある点が共通項です。
カーディーラーでは「系列のクルマのみ整備する」「板金塗装の仕事がない」「部品は純正品が多い」などの特性はありますが、クルマの整備という点では、整備工場と本質的な違いはありません。
また、新車ディーラーでも中古車を合わせて扱っている場合、販売会社と別系列のクルマも整備する可能性はあります。
ディーラーが整備工場と大きく違うのは、当たり前ですが「クルマを売っている」ということ。
つまり整備士は裏方で、営業が主体の職場です。
顧客の都合に合わせる必要性が整備工場よりも高いため、次の通り様々な特徴が存在します。
・ 残業や休日出勤が多めになる
・ 整備士資格を持った営業担当も存在する
・ 整備士でも、顧客と顔を合わせる機会が多い
・ 整備だけでなくサービスフロント(接客)を掛け持ちするケースも多い
もっとも小規模な整備工場の場合でも、なんでも兼務している職場もあるので、ディーラーだから兼務が多いとはいちがいには言えません。むしろ、通常の整備職務については、切り分けられたディーラーが多いでしょう。
ただ異動によって、整備士でなくなる可能性はディーラーのほうが多いと考えられます。
クルマの知識豊富なディーラー上がりの営業は、顧客からも期待される存在です。そのため異動は悪いことではないものの、クルマに触っていたくて整備士になった人にはひょっとして不満があるかもしれません。
整備工場と比べると、給与はディーラーのほうが高い傾向にあります。
具体的なデータは他に譲りますが、整備工場よりも年間100万円程度高いと考えられます。
給与水準の差はもちろんあります。ただそれだけでなく、時間外労働・休日労働が多いという理由もあります。
顧客の都合に合わせる割合が高いと、どうしてもこうなるので、休みがなによりも大事という人はご注意を。
ディーラー整備士は、労働条件的にはやや厳しいところもありますが、やはり整備士の間では人気です。
理由は次のとおりです。
・ 求人の数において希少性が高い
・ 給与体系がいい
・ 福利厚生がしっかりしている
・ メーカーの研修が多い
・ 出世の道が開かれている(ただし整備士とは限らない)
これだけの理由があれば、ディーラー整備士の人気も頷けるものでしょう。
給与が低いと言われがちな自動車整備士の中でも、ディーラー整備士は決してそんなことはなく、世間相場に並ぶ程度にはもらえます。
自動車整備士の仕事もずいぶんさまざまな種類が存在します。
なかなか珍しい整備の仕事もあるので、整備工場で働くと決めつける必要はありません。
中でも安定して人気があるのがディーラー整備士です。
時間外や休日の点では不満を持つ人もいるものの、全般的には悪い環境ではないといえます。
高収入を目指したいのなら、カーディーラーがいいでしょう。