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【2022年版】自動車整備士の給料って高いの?平均年収を徹底解説!

自動車整備士といえば国家資格が必要な、日本の自動車産業を大きく支えている職業の1つです。そんな大きな産業ではどれくらいの給料がもらえるか気になりますよね。

自動車整備士は「汚い」「きつい」「危険」の3Kなんて言われることもあります。イメージでは大変過酷そうに見えてしまいますが、実際どれほどの平均年収をもらっているのか、福利厚生についても解説していきます。

この記事では

・自動車整備士に興味がある方

・現在自動車業界で働いているが転職を考えている方

・自動車整備士の具体的な給料が知りたい方

におすすめです。ぜひ最後までご覧ください。

自動車整備士とは

そもそも自動車整備士とは車の修理や点検をおこなう職業です。トラブル時など緊急を要する際に整備をおこなったり、特に不具合がなくても定期的に点検をすることによって車が安全に走れるようにしています。

細かく業務を分けていくと3つあります。

・分解整備
分解整備は1番難易度の高い業務になります。その難しさゆえ自動車整備士の中でも2級以上の資格を持っている方しかできません。エンジンやミッションなど車の心臓部分を分解していきます。国から認められた認定工場や指定工場しか、整備作業はできないのも特徴です。

・緊急整備
緊急整備はその名のとおりトラブル時の整備になります。例えば衝突事故に遭ってしまった、エンジンがかからなくなってしまった時に修理をおこないます。

・点検整備
点検整備は定期的におこなう整備です。みなさんの身近なものだと車検があります。車検も点検整備に入ります。

自動車整備士は、私たちにとって大変重要な役割を担ってくれていることはわかっていただけたかと思います。ただそんな大事な職業ですが、自動車整備士になりたいと思う方が減ってきているんです。

理由としては、若者の車離れや少子高齢化が激しくなっている時代背景があります。また近年コロナウイルスの影響で在宅が増え車そのものの必要性がなくなってきていることや、部品が欠品し車が入手困難になっているといった理由もあります。それでは実際に自動車整備士の平均給料はいくらくらいなのか解説していきます。

自動車整備士の平均給料

日本自動車整備振興会連合会が発表した「平成30年度版 自動車整備白書」によると、自動車整備士の平均給与は以下であるとされています。

平均年収:391万1000円

平均月収:26万9724円

ネットではよく自動車整備士は給料が低いと言われていますが、この平均月収を見るとそれほど低いとは思われません。

業種別の平均給料

続いては業種別に平均給料を見ていきましょう。

自動車メーカー:平均年収500万円 平均月給28〜35万

整備工場(大手):平均年収440万円 平均月給28〜30万

整備工場(中小):平均年収400万円 平均月給20〜22万

業種別に見るとメーカーと整備工場の差は100万円ほどになっています。大手の整備工場であれば平均年収は440万円となっています。厚生労働省が発表した「令和2年賃金構造基本統計調査」の企業別の賃金額は大企業で377万1,000円(平均年齢42.9歳)なので自動車整備士は給料をしっかりもらえる職業と言えるでしょう。

年代別の平均給料

続いては年代別の平均給料を見ていきましょう。

20代:平均年収240〜280万円 平均月収18〜20万円

30代:平均年収240〜350万円 平均月収21〜25万円

40代:平均年収310〜420万円 平均月収26〜30万円

50代:平均年収400〜500万円 平均月収28〜40万円

どこの業界も同じですが、やはり自動車整備士も年齢が経つにつれて給料が上がっているのが分かると思います。勤続年数が増えていけば自ずと給料もしっかり上がっていきます。ただ60代になると、定年や体力的に衰えていくため平均年収が下降傾向にあります。1番もらえる年代は50代となっています。

知識や経験を生かして、他のメンバーをまとめる役職についたりすることが増えていくでしょう。当たり前ですが、役職が上がれば給料も上がっていきます。

定年後の給料

自動車整備士は体力が命なので定年後も働いていくのは、多少きついかもしれません。

定年後60代の平均年収は340万円ほどです。やはり50代で平均年収が400〜500万円ほどだったのでかなり少なくなることは頭に入れておきましょう。ちなみに定年後70代の給料は300万円ほどになります。定年後でも雇ってくれる会社はしっかりあります。

役職別の給料

役職別に見てみると目指すべき目標が見えてくるかもしれません。自分はここまでいきたいと思い、職に就くことは大変良いことです。

主任:平均年収300〜320万円 平均月収30万円

係長:平均年収350〜370万円 平均月収25万円

課長:平均年収450〜490万円 平均月収28万円

部長:平均年収500〜540万円 平均月収30万円

このようになっています。部長となるとある程度の経験や職務歴などが関係してきます。将来を見据えるためにも役職ごとの給料は頭に入れておくと良いです。モチベーションアップにもつながります。

整備工場勤務は従業員数の規模で給料が変わってくる

整備工場では、働いている従業員数で給料が変わってきます。自動車整備士の勤務先で1番多いのは整備工場になります。大手の会社と比べると給料は低くなります。

整備工場で働いている人数が10人から99人の場合、平均年収は410万円ほどです。

整備工場で働いている人数が100人から999人の場合、平均年収は450万円ほどです。

整備工場で働いている人数が1000人以上の場合、平均年収は500万円ほどです。

もし、就職や転職で整備士になりたい方は大変重要な内容になっているので覚えおきましょう。

自動車整備士の福利厚生

就職や転職する際に必ず確認しておいた方が良い項目が福利厚生です。自動車整備士の福利厚生はどのようになっているのか気になりますよね。

実は他の仕事には無いような非常にありがたい福利厚生を備えている会社もあるんです。

まずは基本的な手当である社会保険制度、通勤手当、家族手当、単身赴任手当、住宅手当、役職手当。

少しでも働きやすい環境を作るための努力として工具手当を支給している会社もあります。また制服はもちろん支給される場合がほとんどですが、整備士という仕事柄どうしても汚れてしまうので洗濯代が渡される会社も存在します。たかが洗濯代と思ってはいけません。車についた汚れや油などは1度こびりついたら大変厄介です。

これだけの福利厚生が整っているのは、やはり従業員数が多い大きな会社になってきます。従業員の頑張りへのご褒美として社員旅行などを用意されている会社もあります。このように働く環境が整っていれば自分はもちろん家族の方も非常に安心するでしょう。

月の勤務時間・残業時間

給料や福利厚生が良いのはわかっていただけたと思います。では自動車整備士は毎月どれくらいの時間働いて、月にどれほどの残業をするのかお伝えしていきます。技術系のお仕事は残業が非常に多いイメージがありますが、整備士はどうでしょうか。

自動車整備士の月の勤務時間は170時間ほど。月に20日の稼働だとすると1日8.5時間の勤務ということになります。残業時間は月に20時間ほどになっています。これも20日稼働だとすると1日1時間ほどの残業となります。これは一般企業と大体同じくらいの勤務時間や残業時間と言えるでしょう。

ただ自動車整備士は肉体労働が主なので、疲労度は大きいかもしれません。繁忙期は冬です。ディーラーの場合は多くの場合、3月に決算があるので年末年始は特に忙しくなります。自動車業界に言えることなのですが、冬場が1番忙しい時期になります。

整備工場とディーラーの給料

整備工場とディーラーではどれくらい給料が変わってくるのか気になっている方も多いかと思います。もちろん給料は働いている会社によって変わってはくるのですが、大まかに基本給+資格手当と残業代が一般的です。ディーラーは点検整備を月に何件したら追加でインセンティブがつく、といった会社もあります。その目標を達成していけば年収も必然的に上がっていくので500〜600万円も狙えます。

整備工場は先ほど挙げたとおり、大手の会社で平均年収が44万円になります。

自動車整備士の今後・将来性

自動車整備士の将来性についてですが、結論なくなることはまず無いでしょう。日本を支える大きな産業の一つでもありますし、国家資格でもあります。

また私たちが生きているうちに車がこの世からなくなってしまうことは無いでしょう。人の手で修理しないと細かい作業はできないので機械に食を奪われてしまう業種でもありません。自動車整備士になる人は減っていますが、逆にチャンスかもしれません。人が少なくなると1人1人に対する給料もあげていき、これ以上やめないようにと会社は動いていくはずです。これからも楽しみな職業の一つと言っても過言ではありません。

資格さえあれば全国どこでも働くことができるので、今後自動車整備士を嫌にならない限り職を失ってしまう心配も無いでしょう。

まとめ

自動車整備士の給料は低いと言われているのをよく見かけましたが、平均月収は27万円程です。この金額が多いと思うのか少ないと思うのかは人それぞれですが、実際、蓋を開けてみると一般企業に匹敵する、またはそれ以上の年収が見込めます。福利厚生も非常にしっかりしている会社が多いです。

もしも会社選びで困っているなら、しっかり残業代まで出る会社を選びましょう。繁忙期などは忙しくなり残業が必然的に多くなります。また日本を支えている大きな産業の一つです。

今後も衰退していくような産業でないので非常に楽しみです。