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自動車整備士の仕事は大変?仕事内容や魅力について徹底解説!

自動車整備士は主に車の修理や点検をおこないます。作業が業務のほとんどなので、「大変そう」「汚いイメージ」「やりがいがなさそう」なんてイメージを持っている方もいるかも知れません。ただ自動車整備士は国家資格(1級、2級、3級、特殊整備)を保有していないと仕事ができないので1度資格を取ってしまえば職に困ることはありませんし、全国どこででも働くことができます。

今回はそんな自動車整備士の仕事内容や1日の大まかな流れについて解説していきます。

・現在自動車整備士に就職しようか迷っている方

・自動車整備士の1日やどんな業務をしているか気になる方

当てはまる方は、大変有益な内容になっておりますので最後までご覧ください。

自動車整備士はどんな職業?

自動車整備士は自動車を安全に走れるように点検や整備、修理をおこなう職業です。点検や修理と聞くと多少勉強したり、普段車をいじるのが好きだという方は簡単に自動車整備士になれるのでは?と思っている方もいるかも知れません。ただ国家資格が必要な職種です。資格にも4種類あり「1級」「2級」「3級」「特殊」と保有している資格によってできる作業内容が変わってくるので、給与形態も変わってきます。

自動車整備士の仕事内容

自動車整備士の主な仕事内容は大きく3つに分けられます。

・点検整備

・緊急整備

・分解整備

この3つが主になってきます。下記で詳しく解説していきます。

点検整備

点検整備とは車を使えば使うほど、走れば走るほどいろんな部品を消耗して劣化していきます。そのため国のルールで24ヶ月点検というものが定められています。24ヶ月点検とは車検のことです。多くの車は車検の際に部品の交換やオイルの交換などをおこない、以後故障や不具合がないように整備をおこないます。

点検整備の一例を挙げていくと

ブレーキ点検

ハンドルの操作点検

ホイール、点火プラグの点検

オイルやエアコンフィルターなどの点検

などです。

緊急整備

緊急整備はその名のとおり運転中の急なアクシデントなどの対応になります。事故で車を破損してしまった時や、故障などによる緊急停止などが起こってしまったら、緊急整備の出番です。主に車の心臓であるエンジンや電気系統などはしっかり見ていきます。修理する場所が分かったら、部品を交換したり分解などして車がもう1度走れるように直していきます。

分解整備

分解整備はオーバーホールと呼ばれています。不具合や故障してしまった車のエンジンやミッションなどを分解し、点検して悪い箇所があれば整備し、修理していきます。この作業をするには高度な技術や危険が伴うため国が認可している指定工場や認証工場のみで実施することができます。

自動車整備士に必要な資格とは

自動車整備士の仕事には国家資格が必要となり、この資格は2級や3級などの等級別に分かれていて、さらにガソリン、ディーゼル、シャシ、二輪といったように扱う車種別にも分かれています。まずは、3級整備士の資格を取得し、経験を重ねた後に2級整備士の受験をします。2級整備士の資格があれば、ほとんどの整備を担当することが可能になります。資格の中でもいろいろと種類があるので詳しく解説していきます。

3級自動整備士

3級整備士は、3級自動車シャシ整備士、3級自動車ガソリン・エンジン整備士、3級自動車ジーゼル・エンジン整備士、3級二輪自動車整備士があります。ガソリン・ディーゼル・二輪自動車の整備を主に担当します。またその中でも点検、エンジンオイルやギアオイルの交換、タイヤ交換なども業務として遂行していきます。ちなみにエンジンやブレーキなどの分解整備をおこなうことは、3級整備士では禁止されています。

2級自動整備士

こちらの資格は整備工場で働く整備士の多くが所有しており、ほぼすべての整備業務が可能な資格です。自分の判断で分解整備作業など自動車の一般的な整備をすることも可能になります。自動車検査員や整備主任者を担う場合に必要な資格になってきます。「2級ガソリン自動車整備士」「2級ジーゼル自動車整備士」「2級自動車シャシ整備士」「2級二輪自動車整備士」に分かれています。

1級整備士

1級自動車整備士は1級大型自動車整備士、1級小型自動車整備士、1級二輪自動車整備士に分けられます。正直1級を取得しても、2級と整備に関する業務はほとんど変わりません。1級自動車整備士には、ハイブリッド車や電気自動車などに関する知識や環境問題・安全管理面などの理解を2級より深めておかなくてはなりません。また資格を取得できれば現場の指示を出したり管理をするような役回りに就くことができます。

特殊整備士

特殊整備士は、自動車タイヤ整備士、自動車電気装置整備士、自動車車体整備士があります。この資格によって整備ができる場所が変わってきます。2級の資格を取得すればおおよその業務は単独で可能になります。特殊整備士の資格があることで変わってくるのは、部品を専門的に整備することができるようになります。

自動車整備士の1日の流れ

ここからは実際に自動車整備士はどのような1日を送っているのか見ていただきたいと思います。ある会社の1日になるので参考にしてください。

9時〜出社後作業服に着替え、その後作業場の掃除や作業に取り掛かる準備をおこなう

10時〜朝礼 全体で集合して目標や目標に対する結果など報告、周知事項などを朝礼でおこなう

10時半〜お客様の対応、点検業務

12時〜昼休憩

13時〜午前同様にお客様の対応や点検業務

18時〜終礼 全体で集まり本日の結果や明日の目標、周知事項が共有され流。ここまでで、まだ業務が残っている場合には残業といった流れになる。

大まかにはなりますが、これが自動車整備士の1日です。

自動車整備士の魅力

自動車整備士は作業が主になるので、魅力に感じない方も中にはいるかもしれません。

ここでは自動車整備士の魅力について解説していきます。

車好きにはもってこい

やはりこの業種を選ぶ方は車が好きな方が多いかと思います。愛車を自分で点検して修理するなどは憧れの1つです。またお客様の車との出会いもあるため、自分では乗れない車や、新作などを実際に修理して触れ合うこともできます。自分の好きを仕事にできる可能性があるので車好きの方には大変おすすめの職業の1つです。

車や部品を社員価格で手に入れられる

自動車整備士をしていると、そもそも車に関する知識は豊富に溜まっていくので車関連のお買い物で失敗しにくくなります。また会社の福利厚生の中で、修理費用の割引やディーラーの自動車整備士として働いている場合は、車自体の社員割引を受けられる場合があります。車好きには必見の情報ですね。

仕事に困ることがない

自動車整備士の仕事には国家資格が必要だと先ほど説明いたしました。そのため資格さえあれば全国どこでも働くことができます。また自動車整備士自体の人口が減ってきているので、多くの会社で人員不足に悩まされています。それは自動車整備士業界に足を踏み入れたい方にとってチャンスでもあります。車も私たちが生きている限りなくなることはないですし、整備士の仕事をAIが代わりにできるとは思えません。よって今後も安定した職種だといえます。

自動車整備士で大変なこと

ここまで自動車整備士の仕事内容や、魅力についてお話ししてきました。ここからはみなさんが1番気になっている自動車整備士の大変なことについてお伝えしていきたいと思います。

肉体労働が多い

自動車整備士は基本的に車の修理が主なので部品を運んだり、機械を使って車を持ち上げたりととにかく体を使います。作業内容によっては体を痛めてしまったりするリスクもあります。そのため体力に自信がない方には向いてないかも知れません。また作業着に汚れがついてしまうのはもちろんですが、ガソリンの匂いや油の匂いなどがついてしまう恐れがあるので、敏感な方は慣れるまで辛抱しなくてはなりません。

通年通して服装に困る

基本、外の作業スペースで仕事をするため真夏の暑い日も真冬の寒い日も変わらず仕事をしなくてはなりません。冬は着込めば大丈夫なのですが、夏は半袖になってしまうと汚れが肌についてしまうので脱ぐことができません。外での仕事が苦手な方にはおすすめできません。

自動車整備士に向いている人

ではどんな方が自動車整備士に向いているのか気になっている方も多いと思うので解説していきます。

1つの物事に熱心に取り組める人

これはどの職業にも当てはまるかもしないですが、特に自動車整備士は退職するまでは基本同じような業務を全うしなくてはなりません。車は命を運んでいるので、丁寧に熱心に取り組む必要があります。手先の器用さ、正確さも必要とされるでしょう。

コミュニケーションスキルがある人

自動車整備士の職業は作業が主になってきますが、お客様との対応もしなくてはなりません。営業をすることはないのですが、お客様からどの部分がどのように悪いのかヒアリングし、どういった対応をしていくのか説明しなくてはなりません。そのため、接客態度が悪いと、どんどんお客様が離れていきます。ある程度のコミュニケーションが必要なことは覚えておきましょう。

車が好きな人

最後は車が好きな人です。自動車整備士は一生車に携わることができるので、車好きにはたまりません。むしろ車が好きでいないと精神的にキツくなってくることでしょう。車が好きでいると、意欲的に仕事に取り組むことができますし、何より仕事を毎日楽しむことができるでしょう。

まとめ

自動車整備士は国家資格を保有していないと働くことができません。そのため資格さえあれば全国どこでも働くことができますし、今後職に困ることはないでしょう。

社会的にも役に立つことができる職業なので、大変やりがいのある仕事です。