自動車整備士資格に実務経験って必要なの?自動車整備士資格の取得方法を徹底解説!
自動車整備士資格の取得方法を調べると運輸局や自動車整備振興会のホームページにたどり着きます。自動車整備士資格の取得方法を知りたいだけなのにホームページをみると細かくわかれていてよく分からない?って思ったことありませんか?
法律は凄く解釈の難しい文章が多く、国家資格である自動車整備士資格の取得方法も解釈するのに時間がかかってしまいます。
しかし、実際はそれほど難しいことではなく、教育機関に通って自動車整備士の資格を取得するか、働きながら資格を取得するかの2つの道があることが記載されています。
今回はちょっとわかりづらく感じてしまう自動車整備士資格の取得方法について詳しく解説していきます。
自動車整備工場で働いている人は全員が自動車整備士というわけではありません。
経理や総務を行う事務員さんが自動車整備士ではないということは予想がつくとは思いますが、自動車整備工場内で作業着を着て作業を行っている人でも自動車整備士資格を取得していなければ自動車整備士ではありません。
自動車整備工場で何年働いていても自動車整備士資格を取得しなければ自動車整備士にはなれません。
自動車整備士資格の取得条件を調べると、実務経験、卒業した高校の課程、実技試験免除等の言葉が並んでいますが、自動車整備士資格を取得するための絶対条件はたった1つだけです。
その条件とは15歳以上であることです。
中学校を卒業してから自動車整備工場で働くというドラマや映画で見かけるような設定でも自動車整備士になることはできるんです。
法律上、中学校を卒業してから自動車整備工場に就職をして自動車整備士資格の取得を目指すことは可能です。しかし、90%以上の自動車整備工場が無資格者の採用を行っていないために現実的には難しい状態となっています。
もちろん、大学卒・高校卒・中学卒問わずに自動車整備工場では無資格者の採用は行っていません。自動車整備工場で自動車整備工場で働きたい人は自動車整備士資格の取得を目指しましょう。
自動車整備士資格は1〜3級にわかれていて、1級自動車整備士資格が最上位の資格となっています。
自動車整備工場で働くほとんどの自動車整備士は、自動車整備士養成施設の専門学校に通って自動車整備士資格を取得してから自動車整備工場に就職しています。
一般的に高校(普通科、工業科、商業科等問わず)を卒業した後に自動車整備士養成施設の専門学校に通うのが王道となっています。
普通科や工業科や商業科に比べて極端に数は少ないですが、高校でも自動車整備士資格を取得できる高校があります。また、中学を卒業した後に高校ではなく職業訓練校に通うことでも自動車整備士の資格は取得できます。
大学もわずかながらですが工業系の大学で自動車整備士資格を取得することができます。
高校や職業訓練校、大学でも自動車整備士の資格が取得できるのに、なぜ、自動車整備工場で働いているほとんどの人が専門学校に通って資格を取得するのか?不思議ですよね?
早く自動車整備工場で働くためには中学校を卒業した後、普通科等の高校に通わずに自動車整備科のある高校や職業訓練校に通って自動車整備士の資格を取得した方が得策なんじゃないかと思いますよね?
自動車整備科のある高校や職業訓練校を批判するわけではないのですが、実は自動車整備士への道のりからすると自動車整備科の高校や職業訓練校に通うのは遠回りになってしまうんです。
自動車整備科のある高校や職業訓練校では3年制で3級自動車整備士資格の取得を目指しています。
規則上、3級自動車整備士資格は自動車養成施設で1年間の教育を受ければ受験資格が与えられますが、高校や職業訓練校では自動車整備以外の科目も平行して行います。(高校卒業課程を取得するため)
3年間で資格がとれて自動車整備工場で働けるのに何処が遠回りな道なのか?って思いますよね?
実は、自動車整備工場では3級自動車整備士を求めていないんです。3級自動車整備士は自動車整備工場のメインの仕事である特定整備(分解整備)を単独で行うことができません。
自動車整備工場の求人を見てもらえばわかりますが、2級自動車整備士資格を取得している人向けの求人ばかりになっています。
3級自動車整備士が2級自動車整備士資格を取得するには、3級自動車整備士を取得してから3年間の実務経験を積む必要があります。
自動車整備科のある高校や職業訓練校で3級自動車整備士資格を取得してから2級自動車整備士になるまでには最短でも6年かかってしまいます。
ところが、高校を卒業した後2年制の自動車整備士養成施設の専門学校なか通うことで、2級自動車整備士資格が取得することができてしまうんです。
中学校を卒業してからいち早く自動車整備士になりたくて自動車整備科のある高校や職業訓練校に通っても、残念ながら専門学校に通った人より1年遅く2級自動車整備士になることになってしまうんです。
自動車整備士資格取得するための実務経験とはズバリ自動車整備に関する企業で働くことです。
当たり前すぎるかもしれませんが実務経験なので自動車整備の仕事をしなければなりません。
実務経験を積むのはどこでもいいというわけではありません。
認証工場・優良認定工場になっている自動車整備工場、タイヤ整備工場、板金屋等の車体整備工場、ロードサービスのJAF業務を行っている工場、特定給油店となっているガソリンスタンドのいずれかでなければいけません。
実務経験は過去をたどっても大丈夫です。例えば、3級自動車整備士資格を取得して自動車整備工場に5年間勤務していたが2年前に退職してしまった人でも3年の実務経験があるとして認定されます。
実務経験の申告は実務経験書で働いている自動車整備工場や過去に働いていた自動車整備工場の事業主にサインと印鑑をもらうことで行うことができます。
過去に働いていた自動車整備工場から実務経験書にサインと印鑑をもらう場合、現在は運営していない自動車整備であったり、退職理由が自動車整備工場とのトラブルであったりするとサインをもらえない可能性があるので注意が必要です。
また、実務経験の条件としてオイル交換等の簡単な作業のみやアルバイト的な作業は認めないとの但し書きがありますが、自動車整備工場等に従業員として勤務していれば問題なくクリアできます。
無資格者が3級自動車整備士資格を取得するには1年以上の実務経験、3級自動車整備士が2級自動車整備士資格を取得するには3年以上の実務経験、2級自動車整備士が1級自動車整備士資格を取得するには3年以上の実務経験が必要となります。
無資格から最上位の1級自動車整備士資格を取得するには最低でも7年という長い年月が必要となります。
独学でも自動車整備士資格を取得することは可能ですが、前述したように90%以上の自動車整備工場が無資格者の採用を行っていないために現実的にほぼ無理な状況となっています。
『独学で自動車整備士資格取得』と調べると、自動車整備工場の求人は学歴不問のところが多いから独学でも資格は取得できると書いてあるサイトもあります。
確かに自動車整備工場の求人は学歴不問のところが多いですが、中学卒業・高校卒業・大学卒業問わずに資格を取得している人は採用しますという意味なので間違わないようにしてください。おそらく、難関大学を卒業していても自動車整備士資格を取得していなければ採用されることはありません。
無資格者は自動車整備工場で特定作業(分解作業)を単独で行えないという制限があります。自動車整備工場にとってこの制限は、野球部であればバットやグローブを持つことができない、サッカー部であればボールを蹴ることができないといった制限をかけられているのに等しい状態です。
こんな制限のかかっている人を自動車整備工場がお金を払って雇うことはまず無いので、独学での自動車整備士資格はほぼ無理な状態となります。
冒頭でほとんどの自動車整備士が専門学校で資格を取得しているといいましたが、その理由はいたってシンプルで自動車整備士になるのに1番の近道だからです。
無資格者、3級自動車整備士共に特定作業(分解作業)が単独で行えないために自動車整備工場では2級自動車整備士資格以上の資格保有者を求めています。
高校を卒業した後に専門学校の2年制の2級自動車整備士コース、4年制の1級自動車整備士コースに通うことで就職活動もスムーズに進み自動車整備士としての道を歩むことができます。
無資格者が最上位の1級自動車整備士資格を取得するのに最低でも7年かかるのに、専門学校では4年で1級自動車整備士資格が取得できてしまうんです。いかに専門学校での資格取得が最短ルートなのかがわかる結果ですね。
専門学校に通えば誰でも資格を取得できるわけではありません。自動車整備士資格を取得するには試験に合格する必要があります。
自動車整備士養成施設の専門学校を選ぶ際、各専門学校の自動車整備士資格試験の合格率は大きな要素となっています。
関東工業自動車大学校では2級自動車整備士資格試験の合格率が全国平均の89,9%に対して97,4%、1級自動車整備士資格試験の合格率が全国平均36,7%(過去10年)に対して91,9%とかなり高い合格率をとなっています。
将来、自動車整備士を目指す人は自動車整備士資格試験の合格率が高い関東工業自動車大学校に入学しましょう!
自動車整備士として技術力や知識力を得るのに実務経験以上のものはありません。
一昔前は、資格よりも現場で腕を磨く方が大事という時代でしたが、令和の現代では企業のコンプライアンスも厳しくなり資格を優先するようになりました。
自動車整備士を目指すならば『急がば回れ』です。焦らずに自動車整備士資格を取得してから自動車整備の世界に入りましょう。